熊谷市議会 > 2021-06-14 >
06月14日-一般質問-03号

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  1. 熊谷市議会 2021-06-14
    06月14日-一般質問-03号


    取得元: 熊谷市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-28
    令和 3年  6月 定例会(第2回)〇 議 事 日 程                   (6月14日〔月〕午前10時開議)第 1 市政に関する一般質問         一般質問通告一覧表                         第2回市議会定例会                         (6月14日)┌───┬────┬───────┬──────────────────────────┐│   │    │       │                          ││通告順│議席番号│ 氏   名 │        質  問  項  目        ││   │    │       │                          │├───┼────┼───────┼──────────────────────────┤│ 1 │ 21 │須 永 宣 延│1 富岡市長の4年間の市政運営について       ││   │    │       │2 工業地について                 │├───┼────┼───────┼──────────────────────────┤│ 2 │ 10 │腰 塚 菜穂子│1 複合災害に自治体はどう備えるか         ││   │    │       │ ―誰一人取り残さない地域防災の実現を目指して―  ││   │    │       │2 コロナ禍における投票所運営と投票機会の確保   ││   │    │       │ ―選挙の管理執行における新型コロナウイルス感染症││   │    │       │ の対応―                     │└───┴────┴───────┴──────────────────────────┘┌───┬────┬───────┬──────────────────────────┐│   │    │       │                          ││通告順│議席番号│ 氏   名 │        質  問  項  目        ││   │    │       │                          │├───┼────┼───────┼──────────────────────────┤│ 3 │ 14 │小 鮒 賢 二│1 「スクマム!クマガヤ」新宣言について      ││   │    │       │(1)目的及び目指すものは何か           ││   │    │       │(2)ジャパンラグビートップリーグ「パナソニック ワ ││   │    │       │  イルドナイツ」との関わり方について       ││   │    │       │(3)「さくらオーバルフォート」の愛称が決定した新運││   │    │       │  動施設エリアを活用した今後の取組について    ││   │    │       │2 歴史から学び、伝統を生かす その2       ││   │    │       │ ―温故知新―                   ││   │    │       │(1)埼玉三偉人に関する埼玉県の顕彰状況について  ││   │    │       │(2)荻野吟子に関する本市の顕彰状況について    ││   │    │       │(3)荻野吟子と本市ゆかりの偉人等との関係について ││   │    │       │(4)映画「一粒の麦 荻野吟子の生涯」制作までの経 ││   │    │       │  緯及び本市の関わり等について          ││   │    │       │3 姉妹都市の提携について             ││   │    │       │(1)現在の姉妹都市の提携状況について       ││   │    │       │  ア 提携の経緯について             ││   │    │       │  イ 主な交流事業の実績と拡大したい事業について ││   │    │       │   (効果と課題を含めて)            ││   │    │       │(2)国内自治体との提携について          ││   │    │       │  ア 提携の必要性について            ││   │    │       │  イ 過去の提携状況について           ││   │    │       │  ウ 近隣市町の提携状況について         │├───┼────┼───────┼──────────────────────────┤│ 4 │ 17 │林   幸 子│1 「奨学金」を活用した若者の定住促進について   ││   │    │       │2 誰もが安心かつ便利に利用できる図書館について  │├───┼────┼───────┼──────────────────────────┤│ 5 │  5 │田 中   正│1 標準化死亡比(SMR)における心筋梗塞患者増加││   │    │       │ ついて                      ││   │    │       │2 ヘリコバクターピロリ菌検査について       │├───┼────┼───────┼──────────────────────────┤│ 6 │ 13 │石 川 広 己│1 農業振興について                ││   │    │       │2 不法投棄について                │└───┴────┴───────┴──────────────────────────┘                                            〇本日の会議に付した事件 議事日程のとおり                                            〇議長及び副議長 議  長 29番 大 久 保  照  夫 議員 副 議 長 11番 小  島  正  泰 議員                                            〇出席議員(30名)   1番  白  根  佳  典  議員    2番  中  島  千  尋  議員   3番  沼  上  政  幸  議員    4番  新  島  一  英  議員   5番  田  中     正  議員    6番  山  下  一  男  議員   7番  影  山  琢  也  議員    8番  鈴  木  理  裕  議員   9番  千  葉  義  浩  議員   10番  腰  塚  菜 穂 子  議員  11番  小  島  正  泰  議員   12番  権  田  清  志  議員  13番  石  川  広  己  議員   14番  小  鮒  賢  二  議員  15番  閑  野  高  広  議員   16番  守  屋     淳  議員  17番  林     幸  子  議員   18番  関  口  弥  生  議員  19番  野  澤  久  夫  議員   20番  黒  澤  三 千 夫  議員  21番  須  永  宣  延  議員   22番  小  林  一  貫  議員  23番  桜  井  く る み  議員   24番  三  浦  和  一  議員  25番  大  山  美 智 子  議員   26番  森     新  一  議員  27番  富  岡  信  吾  議員   28番  福  田  勝  美  議員  29番  大 久 保  照  夫  議員   30番  栗  原  健  曻  議員                                            〇欠席議員(なし)                                            〇説明のための出席者       市     長    富   岡       清       副  市  長    長 谷 川       泉       市 長 公 室 長    高   柳       勤       危 機 管 理 監    髙   橋   秀   之       総 合 政策部長    山   崎       実       総 務 部 長    本   多       俊       市 民 部 長    小   林   教   子       福 祉 部 長    植   原   利   和       環 境 部 長    石   井       茂       産 業 振興部長    松   岡   八   起       都 市 整備部長    上   山       武       建 設 部 長    荻   野   秀   夫       消  防  長    渋   澤   健   司       上 下 水道部長    渡   邉       功       会 計 管 理 者    向   井       徹       教 育 委 員 会    野   原       晃       教  育  長       教 育 次 長    鯨   井   敏   朗       選挙管理委員会    橋   本       肇       事 務 局 長       監 査 委 員    大   熊   宏   之       事 務 局 長       農 業 委 員 会    山   下   克   巳       事 務 局 長                                            〇事務局職員出席者       事 務 局 長    堀   越   奈 緒 美       副  局  長    大   野       浩       次長兼庶務係長    清   水       誠       主  幹  兼    浅   見   祐   功       議 事 調査係長       主     査    茂   木       健       主     査    野   間   謙   治       主     査    中   山   亜   紀              午前10時00分  開 議 ○大久保照夫議長 出席議員が定足数に達しましたので、これより本日の会議を開きます。 開会前配付いたしました文書は、1つ、本日の議事日程、1つ、一般質問通告一覧表、以上2件であります。 △市政に関する一般質問 ○大久保照夫議長 これより日程に入ります。 日程第1、市政に関する一般質問。 17人の議員から一般質問の通告がなされております。 これより一般質問を行います。 なお、再質問からは質問席からの一問一答方式ですので、よろしくお願いいたします。 それでは、発言通告の順序により一般質問を許可いたします。 申し上げます。新型コロナウイルス感染対策のため、この後の須永宣延議員の一般質問に関係しない理事者には、ここで退席をお願いいたします。 議員におかれましては、須永宣延議員を除き、途中退席をお願いする一般質問日の議席表Aを参考に、議席番号1番から18番までの議員にあっては偶数の方、議席番号19番から30番までの議員にあっては奇数の方は、会派席等におきまして待機いただきますようお願い申し上げます。 なお、引き続き議場に出席希望される議員におかれましては、議場にお残りください。 また、退席に際し、席札は立てたままとしていただきますようお願いします。 暫時休憩します。              午前10時02分  休 憩                                                          午前10時05分  再 開 ○大久保照夫議長 休憩中の会議を再開します。 △一般質問続行 ○大久保照夫議長 最初に、21番須永宣延議員の一般質問を許可します。              〔21番須永宣延議員登壇〕 ◆須永宣延議員 おはようございます。21番、須永宣延です。議長より発言の許可を頂きましたので、通告書に基づきまして一般質問をさせていただきます。 大きな1として、富岡市長の4年間の市政運営について、会派を代表いたしましてお伺いします。富岡市長におかれましては、昭和58年、市議会議員初当選から2期、そして、平成3年に県議会議員に当選され、3期務められ、通算19年の政治経験を持って旧熊谷市の市長選へ出馬し、当選を果たされました。平成の大合併により、熊谷市、大里町、妻沼町と合併し、新市の市長となり、平成19年2月13日には江南町を編入し、県北初の20万都市が誕生し、平成21年に県北初の特例市への移行を実現されました。行財政運営の効率が最もよいと言われている人口20万から30万の自治体を目指し、消防、警察、ごみ処理等々の、さらに生活圏も共にする旧熊谷市を核とする1市3町の合併は理想な形であり、旧熊谷市は、財政面においても自主財源比率が高く、財政の基礎体力が旧町とは違い桁違いに強く、県北のリーダーとして近隣の自治体との利便性の向上などにも配慮した投資をしており、合併の中心的な存在で、核となる自治体でありました。これまでの行財政運営を見直し、簡素化、効率化を図り、激化する都市間競争に勝ち抜き、持続可能な自立した強い自治体になるべく、有効な行財政改革のための究極の手段と言える合併を成功させるために富岡市長はリーダーシップを発揮され、大きい市に飲み込まれてしまうのではという我々旧町に住む者の不安を取り除く努力をしながら、合併を実現されました。合併後、新熊谷市の市長として各地域の特色を引き出し、役割を明確にしながら、新たなる時代に向け、山積する課題、諸事業に取り組んでこられました。 市長としての今期4期目を振り返りますと、7つの大きなテーマに取り組まれてこられました。 まず1つ目に、「人を育む」として、こども医療費の高校生までの無償化の継続をしたほか、待機児童解消に向けた取組、教育環境の整備に努められました。 2つ目に、「産業を育む」として、熊谷流通センター地区の開発、池上地区、上之東部地区の圃場整備を推進し、良好な農業基盤や農業環境づくりのための支援や、荒廃農地対策として農地利用最適化推進事業の取組は、本市農業の活性化が図られました。また、平成24年3月定例会で私も一般質問させていただいた道の駅の設置についてでありますが、今では、(仮称)道の駅「くまがや」の整備計画が策定された富岡市長肝いりの事業は、大いに期待が膨らむものであります。さらに、県内最高水準の企業立地支援制度による企業誘致や市内企業の事業拡大の支援をし、雇用と財源の確保につなげております。 3つ目は、「まちを育む」として、ラグビーワールドカップ2019日本大会会場地として誘致運動に尽力され、本市での世界的ビッグイベントの開催が実現し、世界に熊谷の名を発進させ成功させました。ラグビーワールドカップでは私も一般質問で要望させていただきましたが、教育プログラムとして、市内小・中学生全員約1万5,000人を試合観戦に招待した事業は、困難も多かったかと推測しますが、各団体への働きかけを粘り強く行い実現させたことは、将来を担う熊谷の子供たちにとって一生に一度と言われる貴重な経験となり、スポーツを始めるきっかけづくりや、心の成長も大きな影響を与えたことと思います。市長も答弁で述べていたとおり、観戦することで得られた教育的な効果は大きく、熊谷の子供たちの忘れられない記憶となり、いわゆる大きなレガシーとなりました。さらに、ラグビーだけではなく様々なスポーツの振興と、スポーツによるまちづくりを推進するスポーツコミッションの設立は、スポーツと観光を融合したスポーツツーリズムを推進し、大規模スポーツ大会やスポーツ合宿等の誘致を積極的に行うことで交流人口の拡大を図り、地域経済の活性化につながる取組は、今後ますます期待されるところであります。都市基盤の整備においては、籠原駅北口駅前広場の整備と、ラグビーワールドカップに向けて熊谷駅正面口広場を整備し、暑さ対策をはじめ、ユニバーサルデザインや景観に配慮した姿にリニューアルさせました。私の住む妻沼地域の方々と協働した取組である聖天山周辺地区景観形成事業では、目指すべきまちの姿、将来像、基本方針が定められ、今後の良好なまちづくりの進展につながる事業であります。 4つ目に、「安らぎを育む」として、防災、防犯においては、新しいハザードマップの発行、各自治会が設置する防犯カメラへの補助を開始し、自主防災組織への支援、また、熊谷の子供たちの安全のために、全小学校の通学路の安全対策も実施されました。 5つ目に、「自然を育む」として各種環境対策に取り組み、自然環境整備と保護団体等への支援を継続しております。ここまでが政策提言に掲げた5つの柱となります。 次に、新型コロナウイルスへの対応です。昨年から世界規模となりました新型コロナウイルス感染拡大に対しては、小規模事業者の事業継続や市内経済の下支えを行うための事業、子育て世代への手厚い支援など広範に、また、速やかな対策を講ずるとともに、本年度も新しい生活様式に合わせた事業を実施する一方、市民の命と健康に直結するワクチン接種事業にも機動的に対応していただいております。しかしながら、まだまだ先の見えないワクチン接種、さらに収束に向けた対策と、アフターコロナを見据えた取組と、新型コロナウイルスについては課題が山積しており、富岡市長の手腕が期待されます。 そして最後に、大きなテーマ、「市民協働、行財政改革」でありますが、これまで確実に着実に大きな成果を上げてきました。本市の財政面を見ますと、厳しい経済状況の下、進展する少子高齢社会、人口減少など国の存立基盤に関わる問題と課題を深刻に受け止めながら、適応し得る社会の実現に向け、徹底した行財政改革で健全財政を推し進めてきました。不慮の事態にも備えるために基金を積み、事業を選択しながら起債を抑制し、公債費を着実に大きく減少させたのは、富岡市政の大きな功績と言えます。 令和2年度の一般会計、特別会計、企業会計を合わせての市債残高は575億2,670万円で、合併当初の平成18年度末と比べ約416億円の削減をされました。先ほど合併について申し上げましたが、合併特例債の活用に着目しますと、富岡市長は長期的視野に立ち、旧合併特例事業債の起債を令和2年度決算見込みで見ますと、発行可能額約328億円に対し、発行累計額の比率を45.5%に抑え、真に市民にとって必要な事業を選択して実行していると言えます。旧合併特例債の発行事業としては、熊谷駅正面口駅前広場の整備をはじめ、土地区画整理事業や市内各地域の主要市道、幹線道の道路改良や整備事業、子供たちの教育環境の向上と地域の防災拠点、避難所ともなる各小学校の屋内運動場建築事業や校舎の大規模改造事業、トイレ整備事業など、富岡市長の特例債の活用と抑制の判断は賢明で適正であると思います。有効に活用すればとてもすばらしい財源であることは間違いないのですが、甘い財政シミュレーションでの特例債の安易な発行は、今後、自治体財政を圧迫するのは必至で、次世代にツケを残すことになるとしか思えません。合併特例債を見ますと、7割を国が後から地方交付税の一部として措置すると約束はしておりますが、今後、国による地方財政の見直しにより、確実に合併特例債の分が交付されるのか懸念が残ります。国の地方交付税として交付するべき財源が不足した場合に、地方交付税の交付額を減らして、その穴埋めとして該当する地方公共団体自らに地方債を発行させる臨時財政対策債という制度がありますが、臨時財政対策債が発行されるということは、今でさえ地方交付税を約束どおり交付できていないということになるわけであります。市の負担が少ないお得な借金だからといって国の借金を考えますと、国から返ってくるかどうか分からない合併特例債を安易に発行することは避けるべきであると考えます。 また、第3次熊谷市行政改革大綱に基づく令和元年度の実績を見ますと、実施率は85%で、財政上の効果は約33億円であります。富岡市長の手腕と優れた経営能力の下で、執行部職員の努力を大いに評価するところであります。そして、この先2030年代から2050年代にかけて、本市の公共施設の多くが更新時期を迎えることとなる状況を踏まえ、人口減少等に伴う税収減による収入の減少と高齢化の進行等による扶助費、社会保障費の増大などの支出の増加という制約の下で、施設の更新のための費用をいかにして工面するかという公共施設アセットマネジメントは、行政の大きな仕事となってきたわけであります。個々の施設の具体的な更新、統廃合等の基準、方法等について、長期的視野に立ちながら取り組む課題であり、施設の総量は減らしても、行政サービスの水準、質は維持、また、向上させるために計画策定段階を完了し、公共施設の適正な更新管理を推進しております。これから計画に基づいた機能集約と修繕経費等を段階的かつ計画的に進めていくのに、今後、総論は賛成、各論反対といった、自分の地元、近隣施設の統廃合等には、当然ながら反対や抵抗があると容易に推測できます。現実から目を背け、責任を持ってアセットマネジメント計画における施設の統廃合などは、次世代へツケを回さないための必要な施策であるということは、今後のサービスを充実させるためには、その財源について考え、福祉サービス等を維持継続するには一定程度の負担が必要であることなども市民に正直に訴え、説明しなければなりません。耳触りのよいことばかり並べた人気取りのパフォーマンスや、その場しのぎの政策をするようなリーダーでは、持続可能な市政運営はできません。この厳しい社会情勢、財政状況の下で健全財政を維持し、持続可能な市政運営をしていく熊谷市のかじ取りを任せられるリーダーに求められるのは、強いリーダーシップはもちろんですが、経験や実績が非常に重要であり必要であると考えます。 申し上げてきたとおり、富岡市長はこれまで合併を成功させ、財政を立て直し、健全財政を維持し、諸政策、諸計画を実行し、実績を積み上げてこられてきましたが、今期の任期も今年11月5日で満了となります。熊谷市長選挙は、本年10月24日告示、10月31日投開票日と決定されているところであります。 そこで、富岡市長の市政に対する考えと、これまでの取組についての総括、また、これまでの実績を踏まえ、責任と覚悟を持って引き続き諸課題へ取り組むために、次期市長選へ出馬する意向があるのか、富岡市長に所信をお伺いします。 次に、大きな2として、工業地についてお伺いします。 ここ数年来の人口減少、低成長という社会背景のところに、さらに現在、コロナ禍において経済は著しく鈍化しており、企業の動向も不透明な状況です。しかしながら、そのような中でも、当然ながら経済活動は止まらず、それぞれの方々の努力と思いで力強く歩みを進めているところであります。また、このような状況の中でもチャンスを見いだし、規模の拡大や事業転換に成功している企業もあると聞いております。本市においても、コロナ禍が明けた後の地元企業の支援、経済活性を図るべく、この状況下だからこそ種をまく必要があると思います。このことから、移転や拡大を検討している企業の受皿として、いつでも受け入れられる環境を整えておく必要があると思います。 そこで、本市の工業地について何点かお伺いします。 1として、企業誘致の現状についてお伺いします。先月の新聞にも掲載されておりましたが、東洋製罐グループホールディングスが妻沼西部工業団地に進出してくるとのことで、大変喜ばしいことと思っています。これまでの皆さんの努力の結果だと思います。これ以外にも進出してきた企業があると思いますので、過去5年間の企業誘致の状況についてお伺いします。 2として、工業用地等の跡地活用の状況についてお伺いします。本市に進出してこられながら企業活動を断念し、本市から撤退した企業もありますが、その跡地の活用状況についてお伺いします。 3として、本市工業団地の状況についてお伺いします。各工業団地の状況、開発経緯、目標、入所事業者の業種と、現在企業を誘致できる候補地があるのかお伺いします。 4として、新たな工業団地を整備する計画はあるのかお伺いします。現在、本市では積極的に企業誘致を推進しているが、企業誘致を円滑に行うにはどうしても新たな工業団地を整備する必要があると思うのですが、現在、誘致する候補地がないというような話もあります。今後、新たに工業団地を整備する計画、検討している工業用地はあるのか伺います。 壇上での質問は以上です。再質問、要望等については質問席にて行いますので、よろしくお願いいたします。              〔富岡 清市長登壇〕 ◎富岡清市長 須永議員さんから2点御質問を頂いておりますが、私の4年間の市政運営についてお答えをいたします。 私は、市長就任以来、市政の主役は市民であるとの認識に立ち、私たちのふるさと熊谷のさらなる発展のため全力で市政に取り組んでまいりました。この間、市民皆様との直接対話を重視し、小学校区を単位として実施しておりますハートフルミーティングにつきましては、通算で251回を重ね、延べ1万2,000人を超える皆様に参加していただきました。残念ながら、新型コロナウイルス感染症の影響により、昨年度と今年度は開催を見合わせましたが、これまで膝を交えて各地域の課題や将来のまちづくりなどについて語り合い、ふるさと熊谷をよりよくしたいという市民皆様の思いをしっかりと受け止め、頂いた貴重な御意見を市政に生かしてまいりました。 さて、我が国の社会経済情勢は、新型コロナウイルス感染症の影響により景気の下振れが懸念される状況が続いており、加えて近年、少子高齢化の加速、人口減少の進行などにより財政運営は非常に厳しい状況にあります。こうした中、私は財政の健全化を堅持するため、企業誘致や地元企業の事業拡大への支援等による自主財源の確保に努めるとともに、職員の適正配置、市債残高の削減などによる行財政改革を進め、盤石な財政基盤の構築に努めてまいりました。また、この任期中においては、「市民とともに豊かな未来を育むまち熊谷」の実現のため、市民の視点、協働の視点、多様な視点、経営の視点、改革の視点の5つの視点に立ち、その上で、5つの育むを柱とする基本政策に真摯に取り組んでまいりました。 主な事業を申し上げますと、「人を育む」の分野では、子育て世代包括支援センターを開設し、地域子育て支援拠点との連携により、ワンストップで子育て世帯を応援する体制の強化を図るとともに、不妊治療や不育治療に対する助成、県内初となった送迎病児保育の実施など、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を充実させることで、安心して子供を産み育てられる環境整備に取り組んでまいりました。 また、小・中学校の校舎の大規模改造やトイレの洋式化、GIGAスクール構想実現のための1人1台のタブレット端末の導入などにより、教育環境の改善を図るとともに、学力向上補助員の増員やくまなびスクールの実施など、学力日本一を目指したきめ細かな学習支援を行ってまいりました。 「産業を育む」の分野では、長らく更地となっていた妻沼西部工業団地内の用地に東洋製罐グループホールディングスの進出が決まるなど、これまでに新たな企業の誘致や市内企業の支援に取り組み、自主財源の確保に努めてまいりました。 そして、「まちを育む」の分野では、長年にわたる開催地招致の活動が実を結び、ラグビーワールドカップ2019日本大会を無事開催することができました。大会期間中、熊谷ラグビー場で行われた試合はほぼ満席となり、観戦に招待した小・中学生による出場国の国歌を合唱しての応援や、ボランティアをはじめとする市民皆様による心温まるおもてなしは、各方面から高い評価と称賛の声を頂きました。開催都市としての大役を果たすことができたと思っています。これもひとえに大会招致以来多大なる御支援、御指導を頂きました議員の皆様をはじめ、市民皆様、関係機関の御協力や御尽力の賜物と厚く御礼を申し上げる次第でございます。大会を機に整備された熊谷ラグビー場やアクセス道路網をはじめ、「スクマム!クマガヤ」を合い言葉に、市民皆様が主体となった活動が大いに盛り上がったことなどは、ワールドカップ開催により生まれた次代へ誇れるレガシーであり、これらをしっかりと継承し、ラグビータウン熊谷のさらなる推進につなげてきたところであります。おかげさまで、パナソニック ワイルドナイツも、本年8月を目途に本拠地を熊谷市に移転をするということで進んでおります。 「安らぎを育む」の分野では、近年増加している自然災害に備え、自主防災組織の結成や活動に対する支援を行うとともに、夏の暑さから市民皆様の命と健康を守るため、熱中症に備えるガイドブックの発行など、毎年オリジナルの暑さ対策を展開しております。こうした取組は、「自然を育む」の分野での地球温暖化防止対策の推進とともに先進事例として注目を集めており、ひと涼みアワードでは初の殿堂入りを果たすなど、名実ともに暑さ対策日本一の評価を頂いているところであります。 私は、平成14年の市長就任以来、19年にわたり、「日々是新」(日々是れ新たなり)を自らの志として市政に取り組んできており、合併後の一体感の醸成や、ふるさと熊谷のまちづくりに邁進してまいりました。今、感じていることは、これまでの行財政改革の推進により積み上げてきた成果を基に、将来にわたり持続可能なまちづくりに一定の道筋をつけることができたという充実感であります。そこで、この任期を最後に、熊谷市のかじ取り役を後進に道を譲り、行政の継続性を保ちながらも新たな視点を取り入れ、ますます大きくなる社会の変化に対応した市政の運営を託すべきと判断をいたしました。残された任期につきましては、重要課題でありますワクチン接種を含め、市政の停滞を招かないよう全力で取り組んでまいりますので、議員皆様、市民皆様の御理解、御支援をお願いしたいと思います。 なお、この考えに至った経緯について若干触れたいと思います。まず、私自身は、旧熊谷市の市長に就任以来、19年の長きにわたり全力投球をしてまいりました。議員の皆様にも大変御支援、御指導を頂きました。その充実感と達成感は持っております。そして、具体的に市長選挙を展望したときに、既に立候補を表明された方もいらっしゃいます。また、それに向けて準備をされている方もおられるというふうに聞いております。熊谷市にも新しい芽がようやく芽吹き始めてきたというふうに思っています。そうした若い世代の方々の志や熱い思いに対して、19年間熊谷市を牽引してきた私が、果たして立ち塞がっていいのだろうかというふうに考えました。このことは大きな決断ではありますが、新しい方々が自由濶達な議論の中で市民の皆さんの選択を仰ぐこと、そのことは大切なことだというふうに思っております。 そして、私は、合併以来この新熊谷市の一体感の醸成のために全力を尽くしてまいりました。この新熊谷市は、私が産み、私が育て、私が創り上げたものであります。選挙に私が立ち臨むに当たることは、せっかく私が創り上げてきたこの熊谷市を、そして、この新熊谷市を何としてもいいまちにしようと思い悩み協力をしてくれた市民の皆さんに対して、私が今まで尽くしてきた誠意に反することになるのではないかというふうに思いました。これからもこの熊谷市が永遠であるために、そして、この熊谷市に住んでよかった、生まれてよかったと思っていただける方がより多く誕生するように、皆さんと一緒に力を尽くしていければいいなというふうに思っております。 今日は、私を今まで支えてくれた、そして私を応援をしてくれている多くの市民の方が傍聴に駆けつけていただきました。特に地元の皆さんにも大勢おいでをいただいて、ありがたく思っています。私を今日まで支えてくれた方々に改めて感謝をして、所信の一端を申し述べさせていただきました。 以上です。 ◎松岡八起産業振興部長 続きまして、工業地についてお答えをします。 本市では、企業からの立地相談に対してワンストップで対応できる体制を構築し、候補地の紹介や関係部署との調整など積極的な支援を行っております。 初めに、過去5年間における主立った成果ですが、樋春地区に立地したパルシステム生活協同組合連合会や、千代地区に立地した株式会社ヤオコーの大型物流センターなど、計47の企業が本市に新設、または増設をしました。 次に、跡地活用の状況ですが、本市では工業系の市街化区域に限らず、撤退した企業の状況把握に努めるとともに、立地を希望する企業とのマッチングを図っております。また、企業間等による直接取引により新たな企業誘致などにつながった例も見られます。 次に、工業団地の状況ですが、市内には、主に熊谷工業団地、妻沼西部工業団地、妻沼東部工業団地、船木台工業団地、吉岡工業団地の5つの工業団地があり、団地形成の主体や時期、開発手法は様々ですが、御質問にもありました妻沼西部工業団地を例に挙げますと、地域経済の成長や税収の確保等を目的として、平成6年度から埼玉県企業局が事業主体となり、旧妻沼町との連携により造成や分譲などの事業を実施しました。主な業種ですが、市内工業団地は、工業専用地域または工業地域が用途地域として指定されていることもあり、業種としましては、多くの製造系企業が立地をしています。また、今般、東洋製罐グループホールディングスの妻沼西部工業団地への進出が決定したことから、現在、市内工業団地内の事業用地には空きがない状況となっております。 以上です。 ◎上山武都市整備部長 続きまして、新たな工業団地整備についてお答えいたします。 現在のところ工業団地整備の具体的な計画はありませんが、地域の活力を維持するためには、産業基盤づくりが重要であると認識しています。また、首都圏中央連絡自動車道、いわゆる圏央道の整備が進み、圏央道以北への企業立地ニーズも高まっていることから、企業の動向を注視し、周辺環境との調和を図りながら、個別開発をはじめ、工業団地の新設、拡張も視野に入れ適切に対応をしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ◆須永宣延議員 それぞれに御答弁頂き、ありがとうございました。大きな2の工業地について何点か再質問させていただきます。 先ほども申し上げましたが、東洋製罐グループホールディングスが妻沼西部工業団地に進出することが決定しましたが、東洋製罐グループホールディングスの進出に関して、本市の関わりについてお伺いします。 ◎松岡八起産業振興部長 お答えします。 今回の立地決定に至るまでの本市の関わりですが、富岡市長の本市への誘致に向けたトップセールスをはじめ、埼玉県との連携の下、東洋製罐グループホールディングスの立地に関する詳細な意向確認や法規制等の課題整理について、ワンストップでの支援を行ってまいりました。 また、当該土地の所有者である企業に対しては、以前から県とともに定期的に企業訪問してきたこともあり、本件に関しての情報提供をするとともに、企業間のマッチングを図ってきたところでございます。 以上です。 ◆須永宣延議員 次に、企業誘致に対して積極的に活動しているようであるが、過去5年間の年度ごとの企業立地数と5年間の税収の合計をお伺いします。 ◎松岡八起産業振興部長 お答えします。 事業所の新設等に対する奨励金の対象となった件数を年度ごとに申し上げますと、平成28年度9件、29年度8件、30年度10件、令和元年度11件、2年度9件です。この5年間での事業所の新設等によって増加した事業用資産について、単年度の固定資産税相当額を合計しますと約6億2,000万円となります。 以上です。 ◆須永宣延議員 工業団地の整備にはかなりの時間と費用を要すると考えるが、企業からの立地相談に迅速に対応するための方策はあるのかお伺いします。 ◎松岡八起産業振興部長 お答えします。 本市では、第2次熊谷市総合振興計画に基づき、個別の開発行為を中心に、比較的短期間で産業の誘致を図るエリアとして位置づけがされている産業誘導ゾーン等において、個別開発への迅速な対応が可能となるよう、周辺の営農環境に支障がなく転用の可能性がある農地や、事業所の跡地といった産業系候補地の掘り起こしについて積極的に取り組んでおります。 以上です。 ◆須永宣延議員 それでは、要望を申し上げます。 ちょうど4年前の平成29年6月議会において、富岡市長は、「新たな企業の誘致や地元企業の事業拡大への支援をするなど、自主財源の確保に努める」と言われておりました。市長は、その言葉どおりトップセールスをはじめとした企業誘致活動や地元企業などの支援に取り組んでこられ、その成果が、先ほどの部長答弁にもあった企業の立地や事業拡大、そして何より、長年更地のままであった妻沼西部工業団地への企業進出の実現につながったものと考えており、市長の努力が実った結果だと思います。市民生活を支える様々な施策の財源として、企業からの税収は大変重要であると思います。かつて市長も言っていたように、「産業の振興なくして本市の発展なし」という言葉は、現在の社会経済状況に鑑みると、一つの真実として、なおさらにその重みが増してきているのではないでしょうか。これまでも市長は、市民のことを第一に考えながら様々な迫り来る課題に対処し、今ある本市の資源を効果的に活用してこられたことと思います。 平成30年3月に策定した第2次熊谷市総合振興計画の将来都市像の中に、「子どもたちが未来に希望を持ちながら笑顔で暮らせるまちは、すべての世代にとっても安心して心豊かに暮らせるまちだと考えます」というフレーズがあります。では、今私たちが行うことができる、子供たちが未来に希望を持てるまちづくりとはどういうものでしょうか。私は、今の子供たちが大人になって、いざまちづくりに取り組もうとしたときのために、まちづくりの種をまくことは大切だと思っています。個別開発への迅速な対応ももちろん大事なことでありますが、それだけではなく、新たな工業団地の整備に取り組んでよいのではないでしょうか。企業誘致は、県内全体で約230社引き合いがあるそうです。そのうち県北に17社、ぜひ熊谷市に来てもらいたいものです。様々な課題や困難があることは重々承知していますが、だからこそ、今から種をまいて、将来の世代が少しでも楽をできるようにしてあげることが必要なのではないでしょうか。将来の熊谷市が、そして将来を背負う若者や子供たちの明るい未来を創造するための施策の一つとして、新たな工業団地整備への取組を強く要望し、今期定例会における私の一般質問を終わります。ありがとうございました。 ○大久保照夫議長 以上で21番須永宣延議員の一般質問は終了いたしました。 申し上げます。この後、議員、理事者ともに出席者の入替えをお願いします。 理事者におかれましては、次の腰塚菜穂子議員の一般質問に関係する方に入場いただき、議員におかれましては、腰塚菜穂子議員を除き、途中退席をお願いする一般質問日の議席表Bを参考に入替えをお願いいたします。 暫時休憩いたします。              午前10時53分  休 憩                                                          午前11時06分  再 開 ○大久保照夫議長 休憩中の会議を再開します。
    △一般質問続行 ○大久保照夫議長 次に、10番、腰塚菜穂子議員の一般質問を許可いたします。              〔10番腰塚菜穂子議員登壇〕 ◆腰塚菜穂子議員 皆様、こんにちは。議席番号10番、腰塚菜穂子でございます。ただいま大久保議長より発言の許可を頂きましたので、通告の順に従い、本日は大きく2つのテーマについて市政に関する一般質問を行います。 まず、1つ目のテーマとして、複合災害に自治体はどう備えるか―誰一人取り残さない地域防災の実現を目指して―と題し伺います。6月の「市報くまがや」の巻頭特集の一つに防災特集が組まれ、「在宅避難 できる?できない?」という見出しで、在宅避難が可能なケースやそのメリット、また、一方で、避難所を利用したほうが安全なケースなど、災害時の避難について分かりやすく紹介されました。災害といえば避難所へというふうに私自身長年考えておりましたので、新型コロナウイルス感染症対策の面からも、分散避難の必要性が伝わる内容であり、台風など本格的な出水期を前に、災害への備えの一助となるものと受け止めています。 さて、台風といえば、一昨年10月の令和元年台風第19号の記憶が新しいところです。私が住んでおります荒川流域では、台風第19号を受けて住民の災害への危機意識が高まり、いざというときは、住民同士で助け合わなければ命を守れないという共助の意識が醸成されたように感じています。実際にそうした思いは、避難困難者の名簿作成を積極的に進めたり、地区防災計画を作成していこうという動きにつながっています。これまでに災害への備えを主眼とした一般質問は、台風第19号到来直後の令和元年12月定例会、また、コロナ禍を受けて、避難所における新型コロナウイルス感染症対策をテーマに、令和2年6月定例会でも取り上げてきたところです。今般、4月の下旬に災害対策基本法等の一部を改正する法律が成立し、5月20日から既に施行されており、関連する取組指針やガイドライン等も改定されました。つきましては、それらの内容も踏まえ、梅雨入り前、そして本格的な台風シーズン到来前のこの時期に、いま一度、誰一人取り残さない地域防災の実現を目指して、以下、質問に入ります。 質問の1、令和元年台風第19号を受けて、全庁的に抽出された課題への対応状況について、以下2点を伺います。 アとして、令和元年12月定例会の一般質問において、すぐに取り組める短期、予算措置が必要等で来年度以降の取組となる中期、今後の継続的な調整や取組が必要な長期に整理し、改善を進めるとの答弁を頂いていることから、その取組状況と進捗。 イとして、現時点で積み残している課題は何か。 質問の2、災害対策基本法等の一部が改正され5月20日から施行されています。関連する取組指針やガイドラインも改定されたことから、法改正等への対応について、以下3点にわたり伺います。 大きいアとして、災害時における円滑かつ迅速な避難の確保を図るため、市区町村が発令する避難情報の在り方が包括的に見直されました。既に5月20日から運用が始まっており、市民の皆様には、その正しい理解と適切な行動が求められます。そこで、市民の皆様への周知、普及啓発をどのように行っていくのか伺います。 大きいイとして、高齢者や障害者等、避難行動要支援者の円滑かつ迅速な避難を図る観点から、個別避難計画の作成が市町村の努力義務とされました。その後、避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針も改定され、作成手順などが明示されたところです。これらを受けて、以下3点を伺います。 (ア)として、個別避難計画の現在の作成状況。 (イ)として、これまでの作成に向けた取組における課題認識。 (ウ)として、今般の法改正及び取組指針の改定を受けた本市の対応や取組について。 大きなウとして、福祉避難所に関して、今般の改正府令により公示が必要なものとされ、その名称や所在地等、公示事項を明確化し、指定を促進することが盛り込まれました。その後、福祉避難所の確保・運営ガイドラインも改定されましたことから、以下3点を伺います。 (ア)、現在の福祉避難所の指定状況とその過不足への認識。 (イ)、市民の皆様へどのように周知が図られているか。また、公示事項について。 (ウ)、法改正やガイドラインの改定内容について、運用等における主な変更点をどのように認識されているか。 質問の3、コロナ禍を受けた地区防災活動への影響と感染症対策について、以下3点を伺います。 アとして、コロナ禍を受けて各自治会等における防災訓練などの活動にどのような影響が生じているか。また、これまで行政に寄せられた相談等について。 イとして、複合災害に備えて感染症対策に配慮した避難所の開設運営訓練が必要と考えますが、本市の取組。 ウとして、感染者の避難対応について、令和2年6月定例会の一般質問において、熊谷保健所と協議している旨の答弁を頂いております。今般、国の防災基本計画の改定により、「自治体は、平常時から新型コロナウイルス感染症の自宅療養者が浸水危険エリアなどに居住していないかどうか確認し、一般の住民と分離できる避難先をあらかじめ検討、調整する」と明記されました。これを受けた本市の今後の対応や取組を伺います。 質問の4、自助、共助を促し、後押しするための取組について。 質問の5、国の防災基本計画の中に新型コロナウイルス感染症対策等が盛り込まれましたが、熊谷市地域防災計画における新型コロナウイルス感染症への対応について、計画、運用等の見直しや感染症等も含めた複合災害の想定について伺います。 次に、コロナ禍における投票所運営と投票機会の確保―選挙の管理執行における新型コロナウイルス感染症への対応―と題し伺います。既に皆様も御存じのとおり、今年は選挙イヤーであり、大きなものとしては、7月の東京都議会議員選挙、また、10月に任期満了を迎える衆議院議員総選挙がございます。一方で、埼玉県内に目を向けてみますと、63自治体のうち、その約4割に当たる25の自治体で市町村長選挙が執り行われ、ここ熊谷市におきましても10月に市長選挙が予定されています。今般、コロナ禍における初めての選挙となることから、新型コロナウイルス感染症への対応を軸に、一般質問のテーマといたしました。 さて、昨年4月の緊急事態宣言の発令から、この間、本年1月に2度目の緊急事態宣言の発令、そして現在は、まん延防止等重点措置の下、不要不急の外出の自粛が求められています。感染防止のため、人との距離を取る、3密を防ぐなど、新しい生活様式も定着しつつあります。こうした中、コロナ禍の影響で地方選挙の投票率低下を懸念する声がございますが、コロナ禍の選挙執行に関しては、令和2年4月7日の参議院議院運営委員会で、当時の安倍総理大臣の答弁において、「選挙は住民の代表を決める民主主義の根幹を成すものでありまして、任期が到来すれば決められたルールの下で次の代表を選ぶというのが民主主義の大原則であって、不要不急の外出には当たらない。」という見解が示されました。選挙管理委員会におきましては、選挙人が安心して貴重な1票を投じられるように、投票所等における感染防止対策の徹底と、それらの取組内容について十分に広報することが求められています。自治体運営のかじ取りを誰に任せるのか。また、国政という大きな舞台に誰を送り出すのか。当面するコロナ禍への政策対応から、ポストコロナを見据えた地域経済社会をどう展望するのかに至るまで、危機管理能力と優れた先見性が求められます。時代の大きな転換点において、また、難しいかじ取りが要求される時代・局面において、熊谷市長選挙及び衆議院議員総選挙ともに、極めて重要な位置づけの選挙になると考えています。コロナ禍においても、安心して一人でも多くの市民の皆様に投票所へ足を運んでいただきたいとの思いで、以下2点を質問いたします。 質問の1、期日前投票所を含めた投票所及び開票所の運営体制及び感染防止対策をどのように考えているか、その検討状況と具体的な準備状況を伺います。 質問の2、新型コロナウイルス感染者の投票機会の確保について、市内外の宿泊療養者や自宅療養者への対応について伺います。 以上で壇上での質問を終わります。なお、再質問、要望につきましては質問席で行いますので、引き続きよろしくお願いいたします。 ◎髙橋秀之危機管理監 腰塚議員さんの御質問1、複合災害への備えについてお答えいたします。 初めに、令和元年台風第19号での課題への対応ですが、短期の取組として、その年度内、避難所の開設用具をセットにした避難所ボックスの配置や、自主避難所の開設基準等の整理、マニュアルの見直しなどを行いました。令和2年度は中期として、避難所ごとに担当職員の割当てを行ったほか、全避難所の備蓄品を拡充し、また、各避難所の混雑状況をホームページで公開できるようにしました。今後は、IP無線の配備やペットの避難用スペースの確保などに取り組み、長期的には、効果的な情報伝達ツールの確立や、コミュニティFMの活用などをさらに検討する必要があると認識しています。 次に、災害対策基本法改正への対応ですが、避難勧告と避難指示の一本化について、市報や市のホームページ、熊谷駅前のデジタルサイネージ等で広報しているほか、地域の防災訓練や市政宅配講座などの機会を捉えてお知らせしていきます。 次に、コロナ禍の地区防災活動への影響ですが、訓練の回数が減少しており、地区防災計画の策定作業も滞っている現状です。こうした中、訓練方法についての相談も頂いており、タオルを玄関前に掲げる方法での安否確認訓練や、避難経路の確認を個々に行う防災散歩訓練などを紹介しています。感染症対策を含めた避難所の開設運営訓練については、パーティション等で避難者の空間を確保するほか、避難所には発熱者用のスペースも用意していますので、一般の避難者との接触を断つ方法など、避難所担当職員の訓練で確認を行っています。また、今年度は、避難者の受入れをスムーズに行うため、避難所開設からの一連の流れを動画で作成し、公開する予定です。 なお、感染者の避難については、現在、熊谷保健所が対応していますが、国の指針の詳細が明らかになり次第、対応を県と協議いたします。 次に、自助、共助を後押しする取組ですが、住民自らが適切な避難判断ができるようハザードマップの活用を促すことや、自主防災組織への支援等を行っています。 次に、本市の地域防災計画については、今年度改定を行っておりますので、複合災害にも対応できるよう、国、県の計画も参考に見直しを行ってまいりたいと考えています。 以上です。 ◎植原利和福祉部長 続きまして、避難行動要支援者の避難行動支援に関してですが、個別避難計画の策定状況は、令和3年4月1日現在で、避難行動要支援者数3万8,221人、うち名簿の情報提供同意者は6,556人、個別計画作成者は2,557人です。 次に、個別計画作成の課題認識ですが、要支援者名簿は本人の同意を得て作成をしていますが、個人情報提供への抵抗感や近所付き合いが希薄化している中、支援者が見つかりにくい状況にあることが課題であると考えています。 次に、改定による本市の対応や取組ですが、今後、国から示される取組指針や先進事例などの情報収集に努め、本市における災害の特色や、地域の実情に応じた個別避難計画の作成について研究してまいります。 次に、福祉避難所に関してですが、指定状況と過不足への認識については、現在、市有施設のほか、高齢者施設や障害者施設等を含め43か所を指定しています。昨年度、新たに11の障害者施設と協定を締結しましたが、今後も対象施設を増やすための働きかけが必要と認識しています。 次に、市民への周知ですが、市のホームページ及びくらしのカレンダーに、地区ごとの指定避難所等とともに施設名称と所在地を掲載しています。 次に、法改正、ガイドラインの改定内容の認識ですが、災害時に速やかに福祉避難所を開設することや、福祉避難所ごとに受入れ対象者を特定し、市民に周知を図ることなどがあり、今後、各施設との調整が必要となると認識しています。 以上でございます。 ◎橋本肇選挙管理委員会事務局長 続きまして、御質問2、コロナ禍における投票所運営等についてお答えいたします。 初めに、運営体制及び感染症防止対策の検討状況についてですが、総務省からの通知や、昨年の東京都知事選挙の際に策定されたガイドライン等を参考に、本市においても、投開票所における運営上の留意事項をまとめた新型コロナウイルス感染症対策マニュアルを作成し、本年度執行予定の衆議院議員総選挙及び熊谷市長選挙において、期日前投票所を含む投開票所に配布する予定です。盛り込む内容として、投票所の設営に当たっては、2人用の記載台のうち1つを使用禁止とする表示を行い、机には飛沫防止用パーティションの設置、投票所入り口付近には選挙人の密を避けるための等間隔の表示テープの貼付、選挙人の手指消毒用の消毒液や、使い捨て鉛筆を配備することとしています。投票日の執務に当たっては、係員等それぞれに健康状態の確認をした上での出勤をお願いし、マスク、使い捨て手袋、フェイスシールドを着用し、投票開始後は、選挙人の入場整理のため案内係を配置し、選挙人にはマスクの着用、入り口においての手指消毒や、使い捨て鉛筆の使用をお願いし、投票所内は、記載台や机などの定期的な消毒と併せて換気を行うこととしています。開票所においても投票所と同様、係員等それぞれに感染防止対策を徹底し、参観人席については間隔を広げて設置する予定です。 準備状況についてですが、必要な感染防止対策備品は、逐次購入を進めています。人員配置では、期日前投票所を含む各投票所に選挙人の入場整理用の案内係として1人増員し、一方で、開票所では係員が密集しないよう減員し、それを補うため予備機として購入した読み取り分類機を使用する予定です。 次に、宿泊療養者や自宅療養者の投票については、市内に宿泊療養施設がないことや、外出自粛要請が出されていることから、現制度では投票機会の確保が困難な状況ですが、宿泊療養者や自宅療養者などの特定患者等を対象に、特例郵便等投票を可能とする特例法が今国会で成立する模様ですので、手続や取扱いについて、国、県の指示に従い、適切に準備等を進めてまいります。 以上でございます。 ◆腰塚菜穂子議員 10番、腰塚菜穂子でございます。関係各部署より御答弁を下さり誠にありがとうございました。早速ですが、再質問に入りたいと思います。 再質問につきましては、コロナ禍における投票所運営と投票機会の確保、2つ目のテーマから始めたいと思います。再質問につきましては1点のみとなります。 再質問の1、御答弁から、投開票所の運営体制及び感染防止対策について、万全の準備を進めてくださっていることを理解いたしました。今後、選挙人が安心して投票できるようにするためにも、投票所等において実施する感染防止対策の内容などを市民の皆様へ十分に周知、広報することが重要であり、併せて投票所等の混雑状況に関する情報提供を必要と考えますが、本市の取組を伺います。 ◎橋本肇選挙管理委員会事務局長 お答えいたします。 投票所等の感染防止対策の内容については、市報、市ホームページに掲載するとともに、簡潔なものとして、「メルくま」やFMクマガヤなどの情報ツールなどもできる限り活用し、広報する予定です。期日前投票所の混雑状況については、リアルタイムな情報までは困難と考えられますが、投票所の状況を見える化し、ホームページ等により密を回避するための情報提供に努めてまいります。 以上でございます。 ◆腰塚菜穂子議員 腰塚菜穂子です。御答弁から、様々な媒体を活用して感染防止対策の内容について広報してくださることが分かりました。また、投票所の状況も見える化してくださるなど、御配慮に感謝をいたします。コロナ禍におきましても安心・安全な選挙の執行をお願い申し上げ、このテーマについては終わります。 次に、1つ目のテーマ、複合災害に自治体はどう備えるか、こちらのほうの再質問を行いたいと思います。危機管理部門へ3問、そして福祉部門へ2問、合計5問にわたり再質問を行います。 再質問の1、長期的な取組について2点お伺いをいたします。御答弁において、効果的な情報伝達ツールの確立が挙げられました。令和元年台風第19号を受けて、インターネット環境の整っていない市民の皆様からは、防災無線が聞こえずに困ったという御意見を多数頂きました。情報伝達におきましては、いわゆる情報弱者に配慮した多様な手段の確保と確実性が求められますが、具体的にはどのような手法を検討されていくのでしょうか。 ◎髙橋秀之危機管理監 お答えいたします。 インターネットのみに頼らず、複数の情報伝達手段を確保することが、情報弱者への配慮やリスクの分散にもつながると認識しています。具体的には、防災無線の子局の増設に併せ、テレホンサービスの一層の周知を図るほか、現在あるテレビのデータ放送やコミュニティFMとの連携を深め、身近な機器での情報収集方法についても広く浸透させていくことも有効であると考えています。 以上でございます。 ◆腰塚菜穂子議員 腰塚菜穂子です。ただいまの答弁内容で理解をいたしました。身近な機器での情報収集の方法につきましても、広報の充実をよろしくお願いいたします。 再質問の2、コミュニティFMの活用などをさらに検討する必要があると認識しているとの御答弁を頂きましたが、災害時の協定内容についてと、活用を広げる余地をどのように考えているか。また、さらなる広報の必要性について伺います。 ◎髙橋秀之危機管理監 お答えいたします。 協定の内容としては、災害時において市が必要と認めた場合に、コミュニティFMでのラジオ放送をお願いできるというものです。今後は、防災に関する情報提供や放送内容の事前調整など、平常時から連携を深め、FM放送の有効活用を図ることで、より迅速で精度の高い緊急放送が実施できるものと考えています。 以上でございます。 ◆腰塚菜穂子議員 腰塚です。実現に向けての連携をよろしくお願いいたします。 次に、再質問の3に移ります。自助、共助を後押しする取組の一つとして、御答弁でハザードマップの活用が挙げられました。このハザードマップの裏表紙に、水害時の取るべき行動を時系列にまとめるマイ・タイムラインの作成例が掲載されており、日頃からの備えとして有効と考えます。地域住民からは、高齢者がすぐに書き込めるように、紙ベースでのフォーマットの提供や、内容についてもシンプルで分かりやすくしてほしい。また、作成講座の開催を求める声もございますが、こうした御意見に対する本市の対応を伺います。 ◎髙橋秀之危機管理監 お答えいたします。 マイ・タイムラインについては、今年度、熊谷市版の作成の手引きをホームページに掲載いたしました。フォーマットは、PDFのほかエクセルでもダウンロードできますので、紙に印刷し書き込むことも、画面上での入力も可能です。また、希望者には窓口でも配布いたします。作成講座の開催については、市政宅配講座等を活用してまいります。 以上です。 ◆腰塚菜穂子議員 腰塚菜穂子です。早速の御対応ありがとうございます。よろしくお願いいたします。 次に、再質問の4に移ります。御答弁で示されたとおり、今般の法改正等により、市町村は福祉避難所ごとに受入れ対象者を特定し、公示することができるようになりました。熊谷市で現在指定されている43か所の福祉避難所には、市有施設もあれば、高齢者施設、障害者施設もございます。例えば、障害者施設については、受入れ対象者を障害者に特定するなど、各福祉避難所について事前に対象者を特定し、周知を図ることで、受入れ側の事前準備や災害時の混乱を防ぐなど、避難者、受入れ側双方にとって望ましいと考えます。今後、福祉避難所ごとに受入れ対象者を特定していくべきと考えますが、本市の考えを伺います。 ◎植原利和福祉部長 お答えいたします。 地区ごとの福祉避難所設置数や受入れ人数にばらつきがあること、避難所ごとに受入れ可能対象者が異なることなど、多くの課題はありますが、受入れ対象者の特定に向け、各施設との協議を進めてまいります。 以上でございます。 ◆腰塚菜穂子議員 腰塚菜穂子です。各施設との協議を進めていくということで、前向きな御答弁をありがとうございます。よろしくお願いをいたします。 次に、再質問の5に移ります。御答弁で、法改正等への認識として、災害時に速やかに福祉避難所を開設することとございましたので、福祉避難所への直接避難について伺います。これまでに障害者団体等から寄せられた御意見、御要望も踏まえ、将来的には直接避難を可能にすべきと考えます。御答弁のとおり、関係者との協議、調整や市民への周知等が必要になってまいりますが、当事者や御家族の負担軽減等からの観点からも、今後、市として直接避難を検討していくべきと考えますが、本市の見解を伺います。 ◎植原利和福祉部長 お答えいたします。 福祉避難所の協定を締結している高齢者施設や障害者施設等は、平常時からの利用者への支援が優先されるため、福祉避難所への直接の避難は難しいと思われますが、施設との協議を進めるとともに、先進事例等を参考に研究をしてまいります。 以上でございます。 ◆腰塚菜穂子議員 腰塚菜穂子です。御答弁ありがとうございました。課題はあるものの、施設との協議を進めてくださるということで、感謝申し上げます。くまぴあなど市有施設であれば、比較的速やかな開設も可能かと思われますので、御検討をよろしくお願いいたします。 なお、福祉避難所の運用につきましては、既に直接避難を実施している自治体も幾つかございます。御答弁のとおり先進事例等を研究していただき、当事者の思いに応えられるような運用体制の構築をお願い申し上げます。 それでは最後に、このテーマのうち、個別避難計画の作成に関する意見、要望を述べます。今般の法改正により、避難行動要支援者の個別避難計画の作成が市町村の努力義務とされたことを受けて、本市の対応や取組について伺ったところ、御答弁では、今後、国から示される先進事例などの情報収集に努め、本市における災害の特色や地域の実情に応じた個別避難計画の作成について研究してまいるというものでした。個別避難計画の作成が努力義務とされた背景には、近年頻発する豪雨災害等において、高齢者をはじめとする避難行動要支援者が被害に遭っており、さらに個別避難計画の作成も十分とは言えない状況等を踏まえたものと聞いております。内閣府等から発出されている災害対策基本法等の運用に関する通知を確認いたしますと、計画作成の優先度が高いと現時点において市町村が判断するものについては、地域の実情を踏まえながら、おおむね5年程度で個別避難計画の作成に取り組んでいただきたいと、目安となる時期が具体的に示されました。また、個別避難計画作成の所要経費については、令和3年度に新たに地方交付税措置がなされるなど、努力義務とはされたものの、国は、強い危機感を持って災害時の命を守る行動につなげるために、各自治体へ積極的な計画作成を促しています。 ここで、熊谷市の作成状況を見てみますと、御答弁から、避難行動要支援者数3万8,221人に対して、個別避難計画作成者は2,557人ということで、作成率は約7%、課題認識として、個人情報提供への抵抗感や支援者の確保が挙げられました。そこで、今後さらに計画作成を進めていくために、以下3点の検討を要望いたします。 まず1点目は、個別避難計画の制度に関する周知や広報の充実です。個別避難計画とはどういうものなのか、市として作成を進めていることなどを、自治会長や民生委員、高齢者など一部の方々だけではなく、広く市民の皆様にも制度を知っていただき、御理解と御協力を得る必要があると考えます。 次に、2点目として、5月に改定された避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針にも示されているとおり、福祉の専門職、熊谷市では、例えば、地域包括支援センターの専門職等にも関わっていただくことです。現在は、主に各地域の民生委員が取り組んでくださっていると認識しておりますが、その善意に頼る部分が大きく、また、福祉領域における課題の多様化など負担も大きいことから、日常的に介護や障害に関わる専門職の御協力を得ることも有効と考えます。 最後に、3点目として、御答弁の中で示されたとおり、本市における災害の特色に応じ、市内における作成の優先順位エリアを定めることです。一つの案ですが、熊谷市の防災ハザードマップの浸水想定区域を参考に、比較的浸水リスクの高い、例えば、妻沼小島や大里の和田吉野川、通殿川流域、また、久下エリアなどから重点的に進めていくなどです。 以上の検討をお願い申し上げ、今定例会における私の一般質問を終わります。ありがとうございました。 ○大久保照夫議長 以上で10番腰塚菜穂子議員の一般質問は終了いたしました。 暫時休憩いたします。              午前11時48分  休 憩                                                          午後 1時02分  再 開 ○大久保照夫議長 休憩中の会議を再開します。 △一般質問続行 ○大久保照夫議長 次に、14番小鮒賢二議員の一般質問を許可いたします。 なお、同議員から、資料の配付について申入れがありました。会議規則第149条の規定によりこれを許可しましたので、これよりタブレット端末に配付いたします。 配付漏れ等はございませんか。              〔「なし」と言う者あり〕              〔14番小鮒賢二議員登壇〕 ◆小鮒賢二議員 皆さん、こんにちは。14番、小鮒賢二です。ただいま大久保議長より発言のお許しを頂きましたので、市政に関する一般質問を行います。本日も傍聴席にはコロナ禍の中、ルールにのっとった傍聴においでいただきまして、ありがとうございます。また、インターネット中継を視聴されている方々も大勢いらっしゃると思います。そういった方々にも分かりやすい質問となりますよう心がけてまいります。 新型コロナウイルス感染症がなかなか収束を見ない中、頼みのワクチン接種が軌道に乗り始めてきた感はありますが、希望者全員への接種の完了までにはまだ道のりがあるように感じます。治療やワクチン接種にと日々懸命な努力を重ねている方々に感謝と敬意を表します。もしこのコロナ禍がなかったら、世の中がどういう動きになっていたのだろうかとよく考えることがあります。身近な本市で考えてみますと、一昨年の秋、熊谷開催のラグビーワールドカップ2019日本大会が大盛況のうちに幕を閉じ、その勢いのままジャパンラグビートップリーグの試合はもとより、関連イベント等も数多く実施され、それぞれのイベントが大盛況のうちに終了、そして、待ちわびたパナソニック ワイルドナイツ本拠地の熊谷移転が目前の8月に迫り、いやが上にも盛り上がりを見せている、そんな状況になっているところでしょうか。また、深谷市を舞台にしたNHK大河ドラマ「青天を衝け」の放送と大河ドラマ館の開設、そして、3市連携などによる好影響を受け、本市の掲げたスポーツ観光もしっかり勢いづいてきた、そのような状況かと思います。 現実は厳しいですが、全く悲観的に考える必要はなく、ラグビー熱は確実に引き継がれており、先般のラグビーの日本選手権を兼ねたトップリーグプレーオフトーナメントで、パナソニック ワイルドナイツが強豪サントリーを破り、見事優勝を果たしました。「祝優勝 パナソニック ワイルドナイツ」、優勝をたたえる懸垂幕が市役所庁舎前面に誇らしく掲示されました。それに先立ち、優勝決定の翌日の24日には、市役所正面玄関に、市ラグビータウン推進課職員による「祝優勝 パナソニック ワイルドナイツ 感動をありがとう」という貼り紙が出されました。これは非常に素早い対応で、手作り感のあるすばらしい貼り紙だと思いました。私もちょっと立ち止まってそれを見てしまいました。グッドジョブですね。また、熊谷駅前の商業施設3館、アズ熊谷、ティアラ21、ニットモールで優勝おめでとうフェアも開始されました。何か一筋の光明が差し込んできたように感じます。 また、伝統行事の熊谷花火大会は、2年連続の中止を余儀なくされましたが、代替イベントとして、5月29日夜の7時半から市内5か所において、5分間ではありますが、花火の打ち上げがあり、私は、熊谷スポーツ文化公園で打ち上げられた花火を自宅から見物しました。大変に癒やされたひとときでした。例年の2時間の打ち上げが5分間に凝縮されたようなひとときでした。熊谷市観光協会の皆様、関係者の皆様、ありがとうございました。 また、本市における新型コロナウイルス感染症の状況についてのお知らせを週単位で頂いておりますが、直近の本月9日までの1週間は、前週の8人から4人へと減少しています。全体的に新規感染者数が少し落ち着いてきたように感じますが、まだ変異株の感染拡大の懸念などもあり、当面は自粛と辛抱の状態が続くものと考えます。辛抱の先には希望がある。その希望を信じて先を見据えていかなくてはなりません。このコロナ禍の中、そしてコロナ後、また、いつの時代でも大切にすべきものが示されました。「スクマム!クマガヤ」新宣言に凝縮されている姿勢や考え方を私たち議員もしっかりと発信して、市民の皆様と共有していくべきものとの思いから、一般質問の項目として取り上げました。 配付資料を御覧いただければと思います。「ラグビータウン熊谷は2019年にラグビーワールドカップをみんなの力でやりとげた。そのとき気付いたのは、ラグビーというスポーツが大切にする「ラグビー憲章」の5つのことば、「品位・情熱・結束・規律・尊重」、これらは、クマガヤがずっと大切にしてきたことそのものだということ。だから、クマガヤは「ラグビー憲章」を通じたまちづくりをしていこうと思う。このことばは、スポーツだけじゃなくて、あらゆることにも、人生にも大切なことだから。肩を組んで前にすすんでいこう。どんなときも、どんなことにも。となりやうしろには同じおもいの仲間がいる。日本一あついまちの市民が、世界をもっとあつくする。そんな、ねがいといのりをこめ、スクマム!クマガヤ」。今「スクマム!クマガヤ」新宣言を読み上げたところで、大きく3点について質問します。 (1)として、目的及び目指すものは何か。新宣言の作成経緯や内容、また何を目指すのか。 (2)、本年8月に移転予定のジャパンラグビートップリーグ「パナソニック ワイルドナイツ」との関わり方について。ワイルドナイツとの現状での関わり及び今後の取組の視点からの質問です。 (3)、「さくらオーバルフォート」の愛称が決定した新運動施設エリアを活用した今後の取組について、さくらオーバルフォートの今後の予定や、その運用についてそれぞれ質問いたします。 次に、大きい2番の質問に移ります。歴史から学び、伝統を生かす―温故知新―、前回に続いて、その2として質問をします。NHK大河ドラマ「青天を衝け」は、1840年、武蔵国血洗島の藍農家の長男として生まれた栄一、父親は藍の栽培、藍玉への加工、そして江戸へ出向いての販売、今で言う6次産業化のはしりかと思います。その父親から商売の楽しさと難しさを学び、成長していく過程から始まり、搾取されるだけの農民、百姓という言い方をしていますけれども、農民に疑問を持ち、武士になることを決意します。尊皇攘夷に傾倒する栄一ではありますが、一橋家家臣、平岡円四郎との出会いにより栄一も一橋家に仕えることとなり、人生が大きく変わっていきます。幕末から明治維新にかけての激動の時代、一橋慶喜との関わりの中、栄一の成長を通してこれからドラマがどう進展していくのか、今後の展開が楽しみです。 ちなみに、荻野吟子は1851年生まれ、栄一より11歳年下になります。この頃、吟子は妻沼の両宜塾で学問を始めた頃でしょうか。重ね合わせると面白いものがあります。この三偉人は、平成28年9月議会、約5年前の一般質問から取り上げている大きなテーマです。以前、渋沢栄一が一万円札、荻野吟子は五千円札、そして塙保己一が千円札の肖像になったらすばらしいと申し上げました。また、それだけの価値がある三偉人ですと申し上げましたところ、「なかなか面白い発想だね、実現すればいいね」など、かなり反響がありました。一万円札の渋沢栄一は2024年に実現見込みです。五千円札は女性の先覚者ライン、1代前は農学者の新渡戸稲造ですが、次は現在の小説家、樋口一葉、次が女性教育のパイオニアである津田梅子へと替わります。津田梅子は、満6歳にして岩倉使節団に随行して渡米しています。日本における女子教育の先駆者と評され、後の津田塾大学を創設した人物として有名です。女性教育の先覚者としての活躍が評価されたわけです。まさに吟子はこの女性先覚者ラインになります。千円札は、その分野で大きな功績を残した人物と言えます。1代前は明治の文豪、夏目漱石、現在は細菌学者、医学者である野口英世、そしてまた同じく、同じ分野の北里柴三郎へと替わっていきます。ジャンルは違いますが、塙保己一もこのラインにふさわしい立派な業績を残しています。 埼玉三偉人を取り上げていると塙保己一についてよく聞かれます。業績はすばらしいですが、やや知名度が低いように感じます。まず、名前が読めない、群書類従が分からないというものが多いです。盲目の国学者、塙保己一について簡単に触れておきます。7歳のとき病気で失明し、15歳で単身江戸へ出ます。古代から江戸時代初期までの歴史学、国学、国文学等の全国に散逸していた記録や資料を集め、整理し、収めた全666冊になる群書類従を編さんしました。日本の文学や歴史を研究する上でなくてはならない重要な資料となっているのがこの群書類従です。その偉業をたたえ、2016年には総検校塙保己一先生遺徳顕彰会により、江戸に旅立つ塙保己一少年を題材にした銅像が本庄早稲田駅前に建立されています。 荻野吟子との関わりについて申し上げます。県のホームページから引用すると、荻野吟子を救った「令義解」、荻野吟子は困難にもめげず、医学校を優秀な成績で卒業したものの、「昔から医者は男に決まっている」と言ってはばからない役員たちから医師の道を拒まれていました。男尊女卑の壁に医師への道を閉ざされていた吟子を救ったのは、塙保己一がまとめた大宝律令や養老律令といった古代律令の解説書「令義解」でした。これが、日本にも女性の医師がいたという吟子の主張の根拠となったと記されています。塙保己一がまとめた古代律令の解説書「令義解」が吟子を救ったというエピソードです。また、それを吟子が読んだことをしっかり覚えていたという、この吟子もすばらしいと思います。それほど立派な塙保己一先生です。ほぼ20年に1度の変更と言われている肖像の変更ですが、これから先、二十数年先になりますが、電子マネーに置き換えられてしまうのではないかなという心配はありますが、そういった三偉人のすばらしさというのは何らかの形で表せればいいなと思います。例えば、応用策として、3市連携でも実現したときには地域共通通貨、地域通貨の顔として使うとか、応用できるような道はあるのではないかと思います。 次に、荻野吟子の足跡です。そちらも簡単におさらいしておきます。まず、3つの時期に分類してみました。1つ目が女医の道を選ぶ吟子、2つ目が女医の道を開く奮闘、3つ目が女性としての道を選ぶ吟子。 女医の道を選ぶ吟子。吟子は1851年、嘉永4年に武蔵国幡羅郡俵瀬村、現在の熊谷市俵瀬です。そこの名主、荻野綾三郎、嘉与の五女、末娘になりますが、そこで生まれています。明治元年、吟子17歳のときに、望まれて北埼玉郡上川上村、現熊谷市上川上の名主の長男、稲村貫一郎と結婚しましたが、夫に病気をうつされ実家へ戻る。その後、東京の病院で診療を受けることになるが、その間、男の医師によって治療を受けることに激しい羞恥を感じ、同性にそのような悲しみを与えぬために女医を志す。 女医の道を開く奮闘。その道は苦難の連続で、容易に開けぬが、不屈の精神と周囲の支援もあり、明治17年、医術開業受験が許可され、9月に他の女性3人と前期試験に臨み、吟子1人のみ合格し、ようやく医師としての資格を得て、5月に本郷湯島に産婦人科荻野医院を開業することになりました。女医を志して15年、吟子34歳にして日本公許女医第1号となった。そのとき、父はもとより、母は他界しておりました。ここで言う公許女医というのは、ちょっと分かりにくい言葉ですが、江戸時代から女医はいましたが、国家資格を取得した女医という意味のようです。吟子は第1号、第2号がお隣深谷市の生沢クノという方です。熊谷と深谷に1号、2号がいるというのもすごいです。 女性としての道を選ぶ吟子。当時の新聞や雑誌で女医第1号として大きく扱われ、診療所は繁忙を極めた中で、女性の地位向上のための社会運動にも参画することとなる。その後、明治23年、吟子39歳のときに、周囲の反対を押し切って、キリスト教を通じて知り合った13歳年下の志方之善と結婚し、明治29年には夫、志方のいる未開の地であった北海道に渡る。明治38年、開拓と殿堂に従事した夫は病死し、孤独の身となる。吟子54歳のとき。その後3年間は瀬棚で診療を続けたが、明治41年に北海道を引き揚げ、東京で医院を開業し、晩年を送る。大正2年6月23日永眠。吟子62歳です。東京雑司ヶ谷霊園に墓地があります。吟子の生涯を簡単にまとめてみました。 前置きが少し長くなりましたが、質問の(1)、埼玉三偉人に関する埼玉県の顕彰状況について。個々の偉人としての顕彰状況と、偉人をたたえて創設された表彰等があれば、その状況について。 (2)、荻野吟子に関する本市の顕彰状況について。偉人としての荻野吟子の顕彰状況と、吟子をたたえて創設された表彰等があれば教えてください。 (3)、荻野吟子と本市ゆかりの偉人等との関連について。特に関連が深いかと思われる方々です。初めに、漢学者、寺門静軒及び松本万年と両宜塾の関連。寺門静軒は熊谷の偉人に数えられています。次に、江戸末期から明治時代に活躍した女流南画家、奥原晴湖についてです。奥原晴湖も熊谷の偉人に含まれています。次に、4歳年上ですぐ上の姉、野口友子との関係について。最後に、元夫、稲村貫一郎について、それぞれの人物の関連について質問をいたします。 (4)、映画「一粒の麦 荻野吟子の生涯」制作までの経緯及び本市の関わり等について。併せて、映画のダイジェスト版を記念館で放映できないかについて質問します。 最後に、大きい3番、姉妹都市の提携について質問します。本市の現在における国内外の提携については、ニュージーランドのインバーカーギル市と提携しておりますが、(1)、現在の姉妹都市の提携状況について。 ア、提携の経緯。 イ、主な交流事業の実績と拡大したい事業について、その効果と課題を含めて質問します。 (2)、国内自治体との提携について。 ア、提携の必要性について。 イ、過去の提携状況について。 ウ、近隣市町の提携状況について、それぞれ質問をいたします。 以上をもって壇上での質問は終わります。再質問、要望等については質問席より行います。              〔富岡 清市長登壇〕 ◎富岡清市長 小鮒議員さんから3点にわたりまして御質問を頂きました。私から「スクマム!クマガヤ」新宣言についてお答えをしたいと思います。 ラグビーワールドカップ2019日本大会熊谷開催に向け、官民連携のスローガンとして誕生した「スクマム!クマガヤ」は、大会のレガシーとして広く浸透しているところですが、新宣言は、大会の終了を契機に、将来を見据え、ラグビータウン熊谷が「スクマム!クマガヤ」を通じて、どのような姿勢で、どのような理念を実現させるべきか、官民連携チームで議論を重ね創り上げたものです。新宣言に取り入れられたラグビー憲章の5つのことばは、普遍的な価値観でもあり、熊谷のまちづくりのスピリットとして、市民の皆様が様々な場面でよりどころにしていただければというふうに思っています。特に子供たちには、生涯を通じて、これら5つのことばを体現できるようになってほしいと期待しています。 次に、パナソニック ワイルドナイツとの関わりについてですが、本拠地の移転に向け、チームのロゴマークとスクマムがデザインされたバナーフラッグを町なかに掲出したほか、「市報くまがや」では、選手紹介コーナーのKUMAGAYAらぐ人を連載するなど、ホームタウン化への機運醸成に取り組んでいます。移転後には、来年開幕する新リーグにおいて、ホストスタジアムとなる熊谷ラグビー場での試合開催を中心に、子供たちや市民を対象にしたイベントなど、チーム、選手と市民の交流が盛んになるよう取り組んでまいります。 次に、「さくらオーバルフォート」の活用についてでございますが、設置者の埼玉県ラグビーフットボール協会では、ワイルドナイツのクラブハウスとして使用する管理棟を本年7月末に、8月末には宿泊棟の完成をそれぞれ予定しており、9月を目途に新施設のオープニングセレモニーを計画しています。施設オープン後は幅広い利用が見込まれることから、当該協会はもとより、ワイルドナイツをはじめ、施設関係者とも連携を図り、選手や市民、ファンの方々が集う魅力ある施設となるよう努めてまいりたいと考えています。 以上です。 ◎鯨井敏朗教育次長 続きまして、御質問2、歴史から学び、伝統を生かすについてお答えします。 初めに、埼玉県の三偉人に関する表彰制度ですが、さいたま輝き荻野吟子賞をはじめ、渋沢栄一賞、塙保己一賞などを設け、偉人の精神を現代に受け継ぎ、社会的に顕著な活躍をしている方に対し、その功績を顕彰しています。 次に、荻野吟子に関する本市の顕彰状況ですが、吟子の偉業を広く発信し、次代に語り継いでいただくため、平成25年に荻野吟子没後100年記念事業として、フォーラムやパネル展などを開催しました。 次に、吟子と本市ゆかりの偉人等との関係ですが、初めに、漢学者で妻沼地内に両宜塾を開いた寺門静軒は、直接の関係にありませんが、吟子は両宜塾を継いだ松本万年の門下に入り、師弟関係にあったことから、万年から大きく影響を受けました。 次に、奥原晴湖は、直接の関係を示す資料は見つかっていませんが、明治の初め頃、吟子が上川上の稲村家に嫁いでいた当時、上川上の地に逗留していました。 次に、姉の野口友子は、鎌倉町の愛宕神社の神職である野口家に嫁ぎ、吟子の晩年、東京で共に暮らしています。なお、友子の夫、野口秀延の前妻の息子膳は、上京後の吟子をサポートしています。 次に、最初の夫である稲村貫一郎は、埼玉県初の民権結社、七名社の設立メンバーであり、後に県会副議長を務めるなど、熊谷の発展に大きな功績を残し、吟子と協議離婚後も交流があったと伝えられています。 次に、映画制作までの経緯及び本市の関わり等ですが、制作会社からの依頼を受け、内容等のアドバイスを行いましたが、ロケ地の選定やエキストラの手配などについては、地元の有志が中心となって制作に協力したとのことです。 また、映画の活用ですが、映画を観覧した方の観光の一助となるよう、荻野吟子記念館内に映画のキャプションやロケ地を紹介するパネルを展示しています。映像の放映については、現在、資料に基づき作成した映像を館内で放映しており、ダイジェスト版の放映については、映画はドラマ的な要素もありますので、難しいと考えています。 以上です。 ◎高柳勤市長公室長 続きまして、御質問3、姉妹都市の提携についてお答えします。 初めに、インバーカーギル市との提携の経過ですが、外務省及びニュージーランド大使館から姉妹都市に関する照会があったことがきっかけとなり、昭和63年から交流が始まり、その後、数回の視察を重ねると同時に、学生の教育交流やスポーツ交流等が行われ、平成5年4月に姉妹都市の締結をしました。この提携を契機として、県立熊谷女子高校、熊谷高校、熊谷西高校及び立正大学において、インバーカーギル市内の高校、大学と姉妹校提携を結び定期的な交流が行われているほか、市民親善訪問などを通じ幅広い交流を行ってまいりました。こうした国際交流は、人の動きが抑制されていて難しい時期にありますが、コロナ後を見据え、中高生等の国際理解の進展に寄与する教育、文化の交流を継続し、さらには、ラグビーを通じて多くの市民が興味や関心を持つことができる事業などにより、一層の交流を進めてまいりたいと考えています。 次に、国内自治体との提携についてですが、観光やスポーツ、歴史、文化等において地域間の関係性を育むことで多様な交流が生まれ、関係人口が増加し、地域の活性化につながることから、相互の交流は必要であると考えています。また、地理的な条件にもよりますが、提携後には災害時応援協定に結びつくことも期待できます。こうした交流を重ね、関係性を高め、メリットを見いだしながら機運の醸成を図ることが大切と考えます。 次に、本市の過去の提携状況ですが、合併前の旧大里町が、現在の沖縄県南城市と提携していました。 次に、近隣市町の状況ですが、深谷市は、岩手県田野畑村、新潟県南魚沼市、群馬県富岡市、静岡県藤枝市、行田市は、福島県白河市、三重県桑名市、寄居町は、神奈川県小田原市、東京都八王子市と提携しています。 以上です。 ◆小鮒賢二議員 14番、小鮒賢二です。市長をはじめ皆様には多岐にわたる質問に丁寧な御答弁を頂きました。続きまして、テーマに沿って順次再質問、要望等を申し述べます。 初めに、大きい1番、「スクマム!クマガヤ」新宣言についてのうち、(1)、目的及び目指すものは十分に理解できましたので、(3)、「さくらオーバルフォート」の愛称が決定した新運動施設エリアを活用した今後の取組について、関連する再質問を2点行います。 1点目は、「さくらオーバルフォート」の愛称の意味について質問します。 ◎山崎実総合政策部長 お答えします。 施設設置者の埼玉県ラグビーフットボール協会は、「「さくら」には桜の花とともに、「埼玉」の「さ」、「熊谷」の「く」、「ラグビー」の「ら」の頭文字を取り、「オーバル」は、ラグビーをイメージする楕円を、「フォート」はとりでを意味しています」と発表しています。 以上です。 ◆小鮒賢二議員 熊谷ラグビー場に対して、市内の運動施設エリアとしての名称にふさわしく、すばらしいネーミングだと思いました。 再質問の2点目は、宿泊棟の部屋数やその利用対象について質問します。 ◎山崎実総合政策部長 お答えします。 県ラグビーフットボール協会の当初の計画では、カプセルタイプを含む全247室、収容人数最大308人としています。ラグビーなどのスポーツ合宿はもちろんですが、試合観戦、練習見学のために遠方から訪れる個人の方など、どなたでも利用できると伺っています。 以上です。 ◆小鮒賢二議員 年間来訪者数が令和元年の実績で115万人を数える熊谷スポーツ文化公園です。そこに全国屈指の熊谷ラグビー場が整備されたわけですから、それにふさわしい施設が整いつつあるというふうに感じております。近くに設置が見込まれる(仮称)道の駅「くまがや」とのコラボが大いに期待されるところです。 それでは、「スクマム!クマガヤ」新宣言に関する意見、要望を申し述べます。世の中の進化が速い今の時代、後追いではなくプロアクティブ、先を見越した行動、先手を打つという考え方が重要です。ラグビーワールドカップ2019日本大会のスローガンとして生まれた「スクマム!クマガヤ」は、無理なく広く浸透し、これからの熊谷をPRする上ですばらしい発信力を持っていると期待していました。ここにラグビー憲章の5つのことば、品位・情熱・結束・規律・尊重を力強く発信した新宣言は、今後の熊谷の発展のためには極めて重要なスピリットになると考えます。広く発信することをお願いいたします。 続いて、大きい2番、歴史から学び、伝統を生かす その2―温故知新―については、4点について再質問を行います。 初めに、県の表彰制度ですが、さいたま輝き荻野吟子賞が創設されたのはいつか。また、表彰制度の目的及び対象について質問します。 ◎鯨井敏朗教育次長 お答えします。 平成17年度から表彰を実施しており、女性が医師になることを国が認めていなかった時代に、数々の苦難を乗り越え、日本で最初の公認女性医師となった吟子の不屈の精神を今に伝えるため、男女共同参画の推進に顕著な功績のあった個人、団体、事業所に対し表彰を行うとのことです。 以上です。 ◆小鮒賢二議員 ほかにもある渋沢栄一賞、塙保己一賞とともに、それぞれの分野での功績や努力をたたえる制度で、埼玉三偉人のすばらしさをしっかりと発信しています。女性活躍時代と言われる今、平成18年7月に熊谷市男女共同参画都市宣言を発している本市です。この男女共同参画の推進に対する表彰制度で、まさに吟子の偉業をたたえるのにふさわしい賞であると実感しました。 市内で荻野吟子を顕彰する団体はあるのか質問します。 ◎鯨井敏朗教育次長 お答えします。 荻野吟子史跡保存会、吟子の会、NPO法人めぬまガイドボランティア阿うんの会の3団体があります。 以上です。 ◆小鮒賢二議員 3つの団体があることが分かりました。 続いて、再質問の3で、団体の主な活動内容について質問します。 ◎鯨井敏朗教育次長 お答えします。 初めに、荻野吟子史跡保存会は、吟子生誕の地周辺の公園の清掃や、樹木、草花の育成などを行っています。 次に、吟子の会は、主に生誕祭や各種イベントにおける吟子鍋の提供を通じたPR活動を実施しています。 次に、阿うんの会は、主に荻野吟子記念館の来館者に対する説明のほか、紙芝居を使った出前事業を実施しています。 以上です。 ◆小鮒賢二議員 本庄市の塙保己一記念館、深谷市の渋沢栄一記念館と比較したときに、荻野吟子記念館は、やや見劣りする感じがあるような気がします。荻野家長屋門は群馬県側の光恩寺に移築され、国の指定文化財となっています。そして、保存されています。光恩寺には吟子の石像もあります。石像は他の場所にもあり、吟子ゆかりの北海道瀬棚町、荻野家墓地のある雑司ヶ谷霊園、そして、道の駅めぬま、計4体があると認識しています。熊谷市の偉人、埼玉三偉人の一人である荻野吟子をしっかりと顕彰していくためには、施設の充実を含めた行政の後押しは不可欠です。ぜひよろしくお願いいたします。3つの顕彰団体は、いずれも旧妻沼地区の方を中心としたボランティア団体であり、その荻野吟子のPRにかける熱意と情熱は、すごいものがあると感じています。各顕彰団体の一層の活躍を期待しています。 再質問の4として、過去3年の荻野吟子記念館の入場者の推移について質問します。 ◎鯨井敏朗教育次長 お答えします。 平成30年度4,930人、令和元年度8,317人、2年度は、新型コロナウイルス感染拡大防止のための施設の休館等や外出自粛の影響を受け、4,122人に減少しています。 以上です。 ◆小鮒賢二議員 施設の休館や外出自粛の影響を受けた令和2年度は比較できませんが、平成30年度4,930人、令和元年度は8,313人に大きく増加しています。これは、ちょうど阿うんの会による指定管理の移行の効果かと思われます。来訪者へのきめ細かな説明や対応は非常に重要です。大河ドラマ「青天を衝け」が注目のさなか、まさに今、三偉人の連携により来訪者の大幅な増加が期待できる時期です。ワクチン接種が進み、一日も早いコロナ禍の収束が待たれます。 それでは、歴史から学び、伝統を生かすに関する意見、要望を申し述べます。テーマである、歴史から学び、伝統を生かすという視点から特筆すべきことがあります。県のホームページ、「埼玉ゆかりの偉人」で検索すると、近隣各市の偉人の数は、行田市が5人、深谷市が7人、本庄市が27人、本市は28人です。もちろん偉人にはしっかりとした定義がありますので、比較可能な数字と考えます。その中で、本市は一番多くの偉人を輩出しています。また、深谷市は独自に深谷の三偉人を発信しています。渋沢栄一、富岡製糸場初代場長、尾高惇忠、富岡製糸場の建設に貢献した韮塚直次郎、この3人が深谷三偉人と言われております。また、日本の女医第2号、生野クノや、来年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」、その13人の中に、偉人の一人である畠山重忠公が入っています。「鎌倉殿の13人」は、もし時間があれば後で触れます。 本市に目を向けてみますと、ジャンルごとの熊谷三偉人ができそうです。画家部門、実業家部門、農業養蚕部門、武将部門などです。思い浮かべていただけないでしょうか。これだけ多くの偉人を輩出した本市です。史跡文化財等と併せて積極的に発信していくべきものと考えます。 ここで、荻野吟子を詠んだ金子兜太先生の句を引用します。「荻野吟子の 生命とありぬ 冬の利根」、これは平成27年に熊谷市誕生10周年記念事業、熊谷の俳句として、名誉市民であり日本を代表する俳人の金子兜太先生が詠まれた句の一つです。俵瀬は、東を利根川に南を福川に囲まれた三角州になっており、堤防が整備されていない当時は頻繁に氾濫し、俗に水間とも呼ばれていたそうです。そのような自然環境と、とうとうと流れる利根川、冬には厳しい赤城おろしが吹きおろす、そのような環境下に生まれた吟子には、自然と苦難に立ち向かい克服するという強い信念が備わっていたのではないかと、この句を見て思いました。ほかにスケールの大きな本市を詠んだ句が「利根川と 荒川の間 雷遊ぶ」、幕末の志士として著名な根岸友山を呼んだ句が「草莽の臣 友山に 春筑波嶺」、そして自然豊かな江南地区を詠んだ句が「行雲流水 蛍訪なう 文殊の地」、ゆったりと時間が流れている感じがする句です。それぞれゆかりの地に句碑が建立されています。これら熊谷の俳句のほかに、上中条の常光院、三ヶ尻の龍泉寺、熊谷高校に金子兜太先生の句碑が建立されています。成田小学校にも建てばいいなと思っています。 最後に、大きい3番、姉妹都市の提携については再質問はありません。意見、要望のみ申し上げます。インバーカーギル市との提携については、その後の交流も含めてよく分かりました。今、小学生から英語に親しむ教育が行われる時代になっています。次代を担う中・高生の国際理解の場として、姉妹都市提携は大変に有意義な制度です。やや地理的に遠い感は否めませんが、築き上げてきた友好をさらに深めていくべきだと考えます。アジア圏を含めた比較的距離的に近い都市との追加的な提携も視野に入れるべきものと考えます。また、国内自治体との連携については、関係人口が増加し、地域の活性化につながることから、相互の交流は必要であると考える旨の答弁がありました。この関係人口の増加はキーワードになると思います。近隣市町の提携先を考えたとき、深谷市の群馬県富岡市との提携は、富岡製糸場の関連性でしょうか。また、行田市の福島県白河市、三重県桑名市との連携は、江戸時代にさかのぼる三方領知替えに由来しています。忍藩主が白河へ、白河藩主が桑名へ、桑名藩主が忍へと、移封になった歴史に基づいています。これは、行田郷土資料館で勉強しました。そして、寄居町の神奈川県小田原市は、鉢形城を治めた北条氏由来かと思います。そのような歴史的な関係性から提携をするケースが多いように見受けられます。本市の場合は、直実さん、実盛さん、吟子さんなどの人物関連、また、ラクビータウンや暑さ対策でのつながり等、多様な関係性が考えられると思います。ぜひお互いの特徴から生ずるメリットを見いだしながら機運の醸成を図り、提携への道筋ができることを期待します。 最後に、まとめとしての意見、要望等を申し上げます。本日の3つのテーマのコンセプトは、本市の強みをしっかり認識して、それらを吹き出し、そして生かす。利根川、荒川の2大河川があり、平地が多く自然環境に恵まれている本市です。農商工のバランスもよいです。また、災害が少なく、気候的には暑い土地柄ですが、近隣とそう大差があるものではありません。むしろ暑さ対策はしっかりしている分、強みといえます。このような基礎的な条件が良好であります。歴史と伝統があり、史跡文化財が数多く存在し、市内外に誇れる偉人を多く輩出しています。さらに、市民の結束力が強く、ここぞというときの発信力、組織力が強く、それはラグビーワールドカップ2019熊谷開催や、新型コロナウイルス対応からもよく分かります。今般「スクマム!クマガヤ」新宣言を発出されました。旧市町や各業態等の垣根を越えた熊谷市が一丸となったスクマムを期待しています。 時間は少し余裕がありますので、私はずっと渋沢栄一や大河ドラマについて触れておりましたので、少し大河の関係に触れたいと思います。先ほど畠山重忠のお話ししましたけれども、大河ドラマは、今「青天を衝け」をやっておりますが、来年は「鎌倉殿の13人」というドラマがあるようです。舞台は平安末期から鎌倉前期、源平合戦から鎌倉幕府が誕生する時代背景かと思います。鎌倉殿というのは鎌倉幕府の将軍のことで、頼朝の天下取りを支えた13人の家臣、坂東武士13人です。その中に、先ほど申し上げた畠山重忠、それと東松山比企一族の比企能員が入っています。畠山重忠は、前にも紹介したことがありますが、源平合戦のとき、愛馬を背負って急峻の坂を下りた鵯越の逆落としというお話をしましたけれども、その像が畠山重忠史跡公園にはしっかりと建っています。非常に立派な像で、私が好きな像は、その像と直実さんの像と実盛さんの、この3つが大好きです。そういう畠山重忠や東松山の比企能員です。その2人が入っているので、また恐らくこの周辺も盛り上がるのではないかと思います。ちなみに、主演は小栗旬さんだそうです。あとは、大河ドラマ好みの北条政子が出てきたりとか、そのような展開になりますから、また面白い内容になると思います。 そして、こういった大河というのは調べると面白いので、大体2作ぐらい先まで決まっているのですね。2023年、その次は今度は「どうする家康」という、これは松本潤さんが主演するようですけれども、これは家康の子供のときから、乱世を終わらせた奇跡と希望の物語という触れ込みですけれども、非常にこれもなかなか面白そうな感じがします。時代背景は、昨年の「麒麟がくる」と同じ頃の時代背景かと思いますけれども、いろいろな歴史の人物が登場するのではないかと思っております。これも期待したいところです。 大河の中に熊谷の、例えば直実さんとか実盛さんというのはなかなか難しいとは思いますけれども、この大河に関しては、各市町で一生懸命努力しています。今、当面の大河を申し上げましたけれども、近くの例ですと、寄居町などは北条氏つながりで小田原市と提携をして北条五代というのを大河にできないかというのは、ずっと以前から行っております。今、寄居町でも署名活動なども行っております。あとは、嵐山町なども、ずっと以前から山吹伝説で紹介しましたけれども、太田道灌です。太田道灌を大河にできないかとかという活動をずっとしております。そういう形で、各市町がそういう知恵を絞って、地元にいる偉人をいかに顕彰するかという動きがずっとあるように感じます。これは、熊谷にいっぱい偉人がいる話ですから、熊谷も何か偉人をしっかりと顕彰する制度、そういったものがあればいいかなと思っております。 それともう一つ、今日、関係人口が増えればいいという話がありましたけれども、今はこういってなかなか少子化の中では人口の増加は望めません。熊谷市については、残念ながら人口の減少が、割とはっきりしている市になっております。これは地域性もあると思います。ですから、それを何か食い止める方法というのはないかなというのは、やはりこういったいろいろな偉人とか、史跡文化財を通して関心を持ってもらうとか、あとは、観光などの交流人口とはまた別に、何らかの関わりを持っていただく立場としての関係人口を創出できないかということかなと思っております。 これも前に1回やったことありますけれども、私が思っているのは、熊谷さんに着目するというのが非常に何かおもしろいと思っているのですけれども、覚えている方いらっしゃると思うのですけれども、熊谷さんという人口は全国的に13万3,000人いて、小鮒さんは1,300人で、100倍の開きがあります。それぐらい熊谷さんはいっぱいいます。その熊谷さんに熊谷に集まってもらうという、そういうイベントができないか。熊谷さん集まれ、そして熊谷寺でも開くタイミングがベストだと思います。熊谷寺を開いていただいて、そのときに熊谷さん集まれ、熊谷さん里帰りキャンペーンと銘打ってやれば、13万3,000人の1%が熊谷に来ても1,300人です。家族で来ればそれが数千人になります。すごい人の広がりができると思います。そして、こういった熊谷市のよさを知っていただければ、それがさらにまた定住促進につながるようなこともあるのではないかと思っております。 そういうことも、こういった歴史的なことを考えながら、いつも何か熊谷市を活性化するにはどういうことがいいのかというのを考えているときに浮かんでいることです。これをぜひ頭に入れておいていただいて、何かの機会にそういうイベントもいいと思います。里帰りキャンペーンというのは、私もなかなかいいネーミングだなと思ったのですけれども、ぜひメモをしておいてください。 話は、今大体私の予定したものは済んだわけですけれども、目的である今日の質問の内容についてはしっかりできましたので、私の6月議会における一般質問はこれで終了といたします。御清聴ありがとうございました。 ○大久保照夫議長 以上で14番小鮒賢二議員の一般質問は終了いたしました。 申し上げます。先ほどと同様に、議員、理事者ともに出席者の入替えをお願いします。 議員におかれましては、林幸子議員を除き、議席表Bを参考に入替えをお願いします。 暫時休憩します。              午後 1時56分  休 憩                                                          午後 2時06分  再 開 ○大久保照夫議長 休憩中の会議を再開します。 △一般質問続行 ○大久保照夫議長 次に、17番林幸子議員の一般質問を許可します。              〔17番林 幸子議員登壇〕 ◆林幸子議員 皆さん、こんにちは。議席番号17番、林幸子です。大久保議長より発言の許可を頂きましたので、通告の順に従い、今回は大きく2点について一般質問をいたします。 まず初めに、大きい1番、「奨学金」を活用した若者の定住促進についてです。文部科学省が2020年12月25日に公表した令和2年度学校基本調査によると、大学、短大への進学率は、過去最多となる58.6%であることが明らかになりました。しかし、大学生や短大生を持つ全ての家庭が、授業料や仕送りなどの経済的負担を楽に担えている状況ではなく、約5割の学生が何らかの奨学金を利用しているとされています。世界で大きな問題となっている教育格差は、日本に住んでいる私たちも決して他人事ではありません。家庭の経済状況で教育に格差が生まれるようなことがあってはいけません。これまでも学びの機会の確保のため、独立行政法人日本学生支援機構や様々な企業、自治体などによって奨学金制度が設けられ、利用されてきました。熊谷市においても経済的理由により就学が困難な高校生、大学生等を対象に奨学資金等の貸付けという制度を行っていると思います。最近は、こういった本来の奨学金の活用の仕方に加えて、地方移住や定住促進の一環として、自治体内への定住や就職などの一定の条件付で給付奨学金の活用や、奨学金の返還免除、返還支援などを行う自治体が増加傾向にあります。例えば、北海道北斗市では、令和3年4月から奨学金に関する2つの新たな減免制度を設けて、成績優秀者に対する入学一時金の償還免除、卒業後または償還中に市内に居住、移住し、就職した場合の償還免除などを行っています。また、三重県四日市市では、現行の貸与型の奨学金の半額を給付型に変更し、市内に定住すれば残りの半額も返還を免除するという取組を行っています。このように、地域の実情に応じて、市内定住、市内就職を目的とした給付型奨学金制度を設ける自治体が全国各地に増えています。 こうした中、総務省では、令和2年6月1日、奨学金を活用した若者の地方定着促進要綱を策定し、地元に帰ってきた方々に奨学金の返還助成事業を行う地方公共団体に対し、その一般財源負担額を対象経費として特別交付税制度を設けています。この制度は、平成27年4月10日付の要綱を廃止し、新たに変更を加え創設されたものであります。変更後は、市町村においては基金の設置が不要となり、特別交付税対象経費の範囲が、市町村負担額の10分の5から10分の10に拡充されました。さらに、以前は支援対象者が「大学生等」となっていましたが、「高校生等」も追加され、制度の広報経費についても対象となりました。熊谷市の場合は、県の状況に合わせた措置率0.3に、財政力指数補正率0.5を乗じた0.15が措置率となると聞いており、要綱に基づき実施するとなると、今のところ財源の確保が一番の課題となります。しかし、国が要綱を変えてきたということは、若者を支援して定住促進を図らなければならないという観点からなのではないでしょうか。国の制度を活用するしないは別として、熊谷市としても今ある奨学金制度、返還支援制度を見直し、拡充する必要性があるのではないかと考えています。そこで、質問をいたします。 (1)、熊谷市において奨学金制度はどのようなものがあるか。 (2)、各制度の目的と利用実績、利用者数の推移は。 (3)、返済や滞納の状況について。 (4)、これまで実施してきた奨学金制度をどのように評価しているか。 (5)、熊谷市の奨学金制度を利用した学生が、卒業後、熊谷市に居住される方はどれくらいいるのか。 (6)、これまで、転入・定住を目的とした給付型奨学金や、奨学金返還支援制度はどのようなものがあるのか。 (7)、利用者に対して、制度のよいところや改善点などアンケートは取っているか。どういった意見があるか。 (8)、今後の転入・定住施策として、奨学金のさらなる活用についての見解は。 以上8点についてお聞きします。 次に、大きい2番、誰もが安心かつ便利に利用できる図書館についてです。新型コロナウイルスの感染拡大は、私たちの生活に様々な影響を与えています。この先、新型コロナウイルス以前の生活に全て戻るということではなく、新型コロナウイルスとの共存の方途を探るウィズコロナの新たな生活様式が求められているところです。図書館運営も例外ではなく、コロナ禍の休館や利用規制で平常の運営に戻るには、まだまだ時間がかかると予想されます。状況が変化する中、その都度、図書館で働く人たちは対応に悩み、苦渋の決断をされてきたかと思います。それでも図書館を運営するということは、今の時代だからこそ、とても価値あるものであり、大切な機関だと私は考えています。人生を変えるほどの学びを得るのに本に勝る媒体はありません。「良き本を読むことは、良き人生を創り、良き人生を生きていくこと」という言葉もあります。人間は本来、知りたい、学びたい存在であり、特に子供たちに対しては、本に触れるきっかけを上手につくってあげたいものです。引き続き、赤ちゃんから高齢者まで、多くの方がより快適に使えるような環境づくりを願っております。 そこで、熊谷市の現状についてお聞きします。コロナ禍の今、注目を集めているのが電子図書館のサービスです。図書館に来館しなくても、パソコンやスマートフォンで本を読むことができ、年中無休で場所を問わず利用できる気軽さや、外出自粛の浸透によって、読書をしようという人が増えていることを背景に、利用状況は順調に推移しているようです。熊谷市では早くから電子書籍の導入を行っていますが、貸出しの状況について質問をいたします。 質問(1)として、熊谷市立図書館における書籍と電子書籍の貸出し数の推移について。 質問(2)として、電子書籍を借りるための手順は。 質問(3)として、申請者数と利用者数についてお聞きします。 次に、障害をお持ちの方に対する取組について質問します。「読書バリアフリー法」では、「障害の有無に関わらず、全ての国民が等しく読書を通じて文字・活字文化の恵沢を享受することができる社会の実現に向けて、視覚障害者等の読書環境の整備を総合的かつ計画的に推進していく」と、誰もが読書をできる社会の実現を目指しています。 そこで、質問(4)として、視覚障害者や通常の方法による読書が困難な方への対応についてお聞きします。 次に、現在、熊谷市立図書館でも新型コロナウイルスへの感染防止対策として種々の対策を講じながら、来館者にも協力をお願いしているところだと思います。しかし、来館者の中には、多くの人が手にする書籍等に触れることへの抵抗感や、図書館内や図書館に行くまでに人との接触を避けたい方などもいらっしゃることが考えられます。そのような中、全国各地の図書館で書籍消毒機を設置する動きが広まっています。書籍消毒機とは、紫外線を使って書籍を除菌し、本に風を当てて挟まったごみや臭いを取る機械です。 そこで、質問(5)として、コロナ禍における衛生面での対応について。 質問(6)として、書籍消毒機を導入している自治体が増えていますが、見解についてお聞きします。 最後に、学校図書館について質問します。熊谷市でもGIGAスクール構想事業で、全児童・生徒にタブレット端末の貸与が始まりました。それを活用することにより学習活動の一層の充実を図ることが目的とされていますが、将来的には学校図書の電子化も想定されるのではないでしょうか。 そこで、質問(7)として、学校図書館の整備状況と電子書籍の活用の可能性についてお聞きします。 以上、壇上での質問は終了いたします。なお、再質問等につきましては質問席で行いますので、よろしくお願いいたします。 ◎鯨井敏朗教育次長 林議員さんの御質問1、奨学金についてお答えします。 初めに、本市の奨学金制度ですが、経済的な理由により高等学校以上の学校への進学、就学が困難な方に無利息で学資を貸し付けすることを目的とする、熊谷市入学準備金と熊谷市育英資金の2つの制度があります。入学準備金は進学の学資として、高等学校等は25万円以内、大学等は50万円以内を保護者に貸付けし、育英基金は就学の学資として、高等学校等は月額1万5,000円以内、大学等は月額3万円以内を本人に貸付けします。 次に、利用実績等ですが、各制度の過去3か年の新規利用者について年度別に、人数、貸付年額を順に申し上げますと、入学準備金は、平成30年度、4人、125万円、令和元年度、3人、125万円、2年度、6人、275万円。育英資金は、平成30年度、13人、468万円、令和元年度、20人、684万円、2年度、7人、180万円です。 次に、昨年度の返済実績は、入学準備金が25人、210万2,200円、育英資金が144人、2,282万円。滞納は、昨年度末で、入学準備金が20人、315万7,400円、育英資金が85人、2,569万7,500円です。 次に、制度の評価ですが、過去5か年で制度を利用し、83人が卒業しており、学習意欲があり、経済的な理由で進学が困難な方の就学機会を確保するとともに、人材育成の支援となる重要な施策と考えています。 次に、制度利用者の市内居住の割合ですが、本人に貸付けする育英資金では、本年4月時点で返済が継続している117人のうち、市内居住が94人、約80%となっています。 次に、転入・定住促進を目的とした奨学金支援事業ですが、県内に先駆け、本市は、平成28年度から、市内居住者の奨学金返済利子額に対し、年3万円を上限に補助する「総合戦略」奨学金利子支援事業を実施しています。また、本事業では、申請時にアンケートを実施し、事業が転入・定住のきっかけになるかとの設問に、およそ7割の方が、そう思う、または、まあそう思うと回答しています。 次に、さらなる奨学金の活用策ですが、県内の状況等を注視しながら、まずは、導入5か年が経過し、対象者が年々増加傾向にある奨学金利子支援事業を継続することで、転入・定住促進を図ってまいりたいと考えています。 続きまして、御質問2、図書館についてお答えします。初めに、書籍、電子書籍の貸出数の推移につきまして、平成30年度、令和元年度、2年度の順にお答えします。書籍、82万6,769冊、77万6,509冊、58万5,164冊、電子書籍、772点、624点、2,673点です。 次に、電子書籍を借りる手順ですが、図書館で利用登録し、利用カードをお持ちの方は、どなたでも24時間御利用可能です。パソコン、スマートフォン等の端末機器から熊谷図書館ホームページ内の電子書籍のページにアクセスし、利用カード番号、パスワードを入力し、借りたい本を選択すれば読むことができます。1人1冊、14日間借りることができ、期間を過ぎると自動的に返却となります。 次に、申請者数と利用者数の推移を平成30年度、令和元年度、2年度の順にお答えします。申請者数、12万1,167人、12万4,122人、12万5,859人、利用者数、21万548人、20万1,324人、15万6,079人です。 次に、視覚障害者や通常の方法による読書が困難な方への対応ですが、図書館では読書バリアフリー法、熊谷市障がい者支援計画に基づき、視覚障害者等の読書環境の整備に努めています。具体的には、弱視や高齢者を対象とした大活字本や、視覚障害者がパソコンやスマートフォンから利用できる読み上げ機能付電子書籍の充実、障害のある子供向けの点訳絵本などを継続的に収集しています。このほか、図書館への来館が困難な重度身体障害者等の方には、本の宅配サービスを行っています。 次に、衛生面での対応ですが、図書館では、利用される方々に対し、マスク着用のお願い、資料利用前後の手洗い、消毒を呼びかけるポスターを掲示するとともに、利用者が触れる箇所の定期的な消毒を行っています。また、返却された全ての本を消毒したり、バックヤードに取り置きするなどしています。これは、新型コロナウイルスが不活性になるまでの時間が、紙の上では24時間、プラスチック上では72時間との見解が、アメリカ国立アレルギー感染症研究所から発表されていることに準拠したもので、公益社団法人日本図書館協会でもこの方法を推奨しています。 次に、書籍消毒機につきましては、現時点で紫外線照射による新型コロナウイルスへの殺菌効果は科学的に立証されておらず、紫外線照射は紙の劣化を招くことから、導入の計画はありません。 次に、学校図書館の整備の状況と電子書籍の利用の可能性についてですが、国の学校図書館図書標準に対する市内小・中学校の蔵書達成率は135%であり、十分な蔵書を整備しています。電子書籍の可能性については、電子書籍が1人1台の端末で活用できるようになることで子供たちの読書の幅が広がり、学力向上や豊かな心の育成につながるものと考えます。電子書籍の活用に向け、今後、県内でも多くの電子書籍をそろえている市立図書館と一層の連携を図ってまいります。 以上です。 ◆林幸子議員 17番、林幸子です。それぞれに答弁を頂きましたので、順次再質問をさせていただきます。 まず初めに、奨学金を活用した若者の定住促進についてですが、熊谷市の現状については分かりました。学びに必要な学費を捻出するために奨学金制度を利用すると思いますが、借りたものは卒業後、当然返さなければいけません。奨学金を借りる場合、返済はいつから始まっていつまで続くのか、事前に正確に把握していくことが必要だと考えます。 そこで、熊谷市育英資金貸付事業、入学準備金貸付事業の返済期間と返済月額についてお聞きします。 ◎鯨井敏朗教育次長 お答えします。 育英資金は、貸付終了月の翌月から6か月を経過した後、返済開始となります。高校生等で上限54万円の貸付けを受けた場合、月7,500円を6年間、大学生等で上限144万円の場合、月1万5,000円を8年間返済します。また、入学準備金は、貸付月の翌月から6か月を経過した後、返済開始となり、高校生等で25万円貸付けの場合、初回9,300円、以降月8,300円となり2年6か月、大学生等で50万円貸付けの場合、初回1万2,100円、以降月1万1,900円となり、3年6か月で返済します。 以上です。 ◆林幸子議員 就職したばかりで少ないお給料の中から返済していくわけですから、やはり大きな負担になってくると思います。市の運営する奨学金制度は無利子のため、利用者からしてみればありがたい、使い勝手のよい制度だと思います。しかし、先ほどの答弁によると、令和2年度は利用者が減少しています。 それでは、この人数について、どのような背景があると考えられるかお聞きします。 ◎鯨井敏朗教育次長 お答えします。 令和2年度から授業料減免や給付型奨学金制度など、経済的に余裕のない世帯を対象とした国の高等教育無償化が開始されたことが要因であると考えています。 以上です。 ◆林幸子議員 確かに国の制度が充実してくれば、そちらを利用する方法もありますので、そのような背景もあるかと考えられると思いますが、しかし、国の制度を利用できなかった方が市の奨学金制度を利用しているというケースが多いと聞いておりますので、これからもしっかり広報に努めていただきたいと思います。 次に、新型コロナウイルス感染症の対策が1年以上続く中で、その影響で、勤務先の業績悪化や、出勤停止等に伴う減収、また、あるいは失業等によって返還が困難となった場合もあるのではないかと思います。先ほど返済や滞納の状況を聞きましたが、それでは滞納の理由について、返済できない理由があって返済できないのか、それとも返済できる状況にあるのに返済しないのか、その辺の分析はできているのかお聞きします。 ◎鯨井敏朗教育次長 お答えします。 実態の分析には至っていませんが、現在、滞納者から実情を聴取し、記録を残したり、返済計画の相談を行ったりしています。 以上です。 ◆林幸子議員 分析には至っていないとのことですが、本当に返せなくて困っている人もいるかと思います。返済計画の相談を行っているとありますが、それでは病気や失業などによって返済が困難になった場合、返済期間の猶予や減額返済制度などはあるのかお聞きします。 ◎鯨井敏朗教育次長 お答えします。 本人からの相談、申請により猶予期間を設けたり、返済月額を減額の上、返済期間を延長することができます。 以上です。 ◆林幸子議員 本人からの相談、申請によりとありますので、ぜひ相談につながるようによろしくお願いいたします。 次に、財源についてですが、熊谷市育英資金貸付基金を原資としていますが、運用していく上での課題は何かお聞きします。 ◎鯨井敏朗教育次長 お答えします。 現在は年間の返済金額が貸付金額を上回っていますが、滞納金額が増え続けると原資が不足し、貸付人数を制限するなどの対応をせざるを得ない可能性があります。 以上です。 ◆林幸子議員 貸付人数を制限するようなことになったら、本当に必要なところに手が届かなくなってしまう可能性があります。そうならないように対策をしていただきたいと思います。 次に、熊谷市は、転入・定住促進を目的とした奨学金支援事業を行っていますが、人口が減少傾向の自治体の特徴として、高校卒業世代、就職世代の流出超過が顕著のようです。 そこで、熊谷市の若者の流入出状況についてお聞きします。 ◎鯨井敏朗教育次長 お答えします。 令和2年の住民基本台帳データでは、高校卒業の世代を含む15歳から19歳までが、転入742人、転出732人と転入が多く、大学卒業の世代を含む20歳から24歳までが、転入1,563人、転出1,683人と転出が多くなっています。 以上です。 ◆林幸子議員 やはり就職時に流出するケースが多いようです。それでは、県内に先駆けて行っている「総合戦略」奨学金利子支援事業について、実績と評価についてお聞きします。 ◎鯨井敏朗教育次長 お答えします。 事業を開始した平成28年度から令和2年度まで延べ388人を支援し、計743万7,969円を給付しました。利用者数が年々増加し、現在も年間20人前後の新規申請があることや、先ほどお答えしたアンケート結果からも、本市への転入・定住のきっかけの一つになるものと評価しています。 以上です。 ◆林幸子議員 熊谷市への転入・定住のきっかけの一つになるものと評価しているとの答弁でした。今後の取組に期待したいと思います。若年層の転入を促進するため、また、転出を抑制するための特効薬を見つけることは簡単ではないと思います。一つの施策を充実させたからといって、すぐに効果を発揮できるわけではありません。ほかのいろいろな施策と組み合わせて取り組むことで効果があらわれることが多いと思います。しかし、熊谷の未来を担う若者が、経済的な理由で学びの機会を奪われることなく、市内で存分に働き、活躍できる環境をつくるための取組は、今後ますます重要になると考えています。 財源についてですが、国の要綱の中に、「地方公共団体独自の奨学金等についても財政措置の対象となる。この場合、支援の対象とする者の決定や、奨学金等の貸付の方法については、おのおのの奨学金等の貸付規定等にのっとって行うものとする」とあります。これは、現在の熊谷市の奨学金制度、利子支援事業にも当てはまると読むことができます。今後、財源確保のために国の支援策を利用するのも一つの方法なのではないでしょうか。新たに市内企業に就職する若者を対象とする等、一定の基準を設け、その部分を拡充するなど、熊谷市独自の奨学金制度、返済支援制度、さらに給付型奨学金の創設も含めた制度の促進を要望し、このテーマについては終わります。 次に、誰もが安心かつ便利に利用できる図書館について再質問をいたします。答弁の中で、書籍の貸出数はかなり減少している一方で、電子書籍の貸出数が伸びていることが分かりました。やはりコロナ禍での外出自粛が続く中、いつでもどこにいてもインターネットを通じて利用ができるという電子書籍のメリットを感じている人が多いのではないでしょうか。図書館にとっても、スタッフによる貸出し、予約、返却、督促といった業務が必要なく、返却期限が過ぎた電子書籍は自動で返却されますので、業務の効率化につながると考えられます。今後もサービスを充実させていただきたいと思います。電子書籍を借りる手順としては、まず図書館の窓口で利用登録し、利用カードを持っていれば利用可能とのことですが、それでは、直接図書館の窓口に行けない人の場合の申請方法についてお聞きします。 ◎鯨井敏朗教育次長 お答えします。 図書館の窓口に来ることのできない方には、職員が直接出向いて利用カードの発行を行っています。 以上です。 ◆林幸子議員 新型コロナウイルスの影響が出る以前から、何らかの理由で図書館に直接行きたくても行けない方もいらっしゃると思います。そういった方のために電子申請を導入している自治体もあるようですが、熊谷市の考えについてお聞きします。 ◎鯨井敏朗教育次長 お答えします。 基本的には来館していただく必要がありますが、電子書籍を利用する際に必要となるパスワードの設定は、ホームページ上で行うことができます。 以上です。 ◆林幸子議員 先ほど利用カードの申請に関して、職員が直接出向いていただけるという御答弁を頂きました。また、電子書籍を利用する場合は、ホームページ上で、どこにいてもパスワードの設定ができるということを聞きまして、安心をいたしました。多くの皆様にこのサービスが届くことを願っております。 次に、学校図書館についてですけれども、今後、市立図書館と一層の連携を図っていくとのことでした。そこで、子供たちにもっと本が借りたいという気持ちを促すための読書通帳の取組がありますが、現在の状況についてお聞きします。 ◎鯨井敏朗教育次長 お答えします。 読書通帳は、子供たちが読んだ本について自分で記録、管理し、財産とすることで読書意欲を高め、本を読む楽しさを知ることを目的として発行しています。市立図書館では、読書通帳を小・中学生対象に発行するとともに、希望のある小・中学校に配布しています。また、独自の読書記録カードを作成し、活用している学校もあります。 以上です。 ◆林幸子議員 今後、市立図書館と学校図書館の連携が想定される中で、読書通帳の連動についても考えていく必要があると思いますが、見解についてお聞きします。 ◎鯨井敏朗教育次長 お答えします。 読書通帳は読書量の見える化につながり、子供たちの読書意欲の向上に大変効果的であると考えます。読書通帳のシステム的な連動は困難ですが、市立図書館と学校図書館が相互の力を発揮しながら、地域や家庭とも連携して、子ども読書活動推進の相乗効果を高められるよう努めてまいります。 以上です。 ◆林幸子議員 了解いたしました。GIGAスクール構想事業でも、私も1度授業を参観させていただきましたが、子供たちの様子を見ると、あまり抵抗もなく、端末を上手に使いこなしているという印象を受けました。もちろん、紙の本に触れることも大切ですが、端末を利用することによって、さらに読書の機会が増えるということも考えられます。今後も子ども読書活動の推進に努めていただきますようお願いいたします。 また、ウィズコロナと言われるこれからは、利用者ニーズに合わせた電子書籍の充実と同時に、読書という静かな娯楽を提供する図書館も見直すべきかもしれません。もともと図書館は、大声を出して集うような施設ではないし、本がたくさんある静かな空間に身を置くだけで心が癒やされるという場合もあります。また、親子連れの利用も多いことから、安心して本を借りていただく環境を整えていくことは大変重要であると思います。衛生面での対応もしっかりされているようですが、不特定多数の方が利用する図書館でありますので、これからも誰もが安心して利用できる環境づくりに努めていただきたいと要望をいたしまして、今定例会における私の一般質問を終了とさせていただきます。ありがとうございました。 ○大久保照夫議長 以上で17番林幸子議員の一般質問は終了いたしました。 申し上げます。先ほどと同様に、議員、理事者ともに出席者の入替えをお願いします。 議員におかれましては、田中正議員を除き、議席表Aを参考に入替えをお願いします。 暫時休憩します。              午後 2時43分  休 憩                                                          午後 3時05分  再 開 ○大久保照夫議長 休憩中の会議を再開します。 △一般質問続行 ○大久保照夫議長 次に、5番田中正議員の一般質問を許可します。              〔5番田中 正議員登壇〕 ◆田中正議員 皆さん、こんにちは。議長より発言の許可を頂きましたので、通告順に質問させていただきます。 新型コロナウイルス感染症が流行し出して1年半が経過しましたが、いまだ収束の感は見られません。マスコミは依然、新型コロナウイルスをあおり続ける報道を繰り返しています。今や「コロナ脳」という言葉もあるそうです。新型コロナウイルスに洗脳された脳というらしいです。そこで、皆様に新型コロナウイルスについて正しく理解していただくために幾つかデータをお示ししたいと思います。私は、以前勤務していた病院で感染対策委員会副委員長として感染対策を勉強し、院内感染対策を行ってきました。2003年に流行したSARS、これは日本には入ってきませんでしたが、2009年の新型インフルエンザパンデミック型、季節性インフルエンザ、年間二、三人は出ていた結核、ノロウイルス感染対策等を行ってきました。感染症を勉強してきた身からすると、現在の新型コロナウイルス感染症の報道の在り方には多くの疑問が生じています。 1つ目として、死亡者数の情報に関してです。約1年半かけて1万3,000人を超える死者を出しました。しかし、その方たちの平均年齢について一切報道はありません。いろいろ調べると、平均死亡年齢は約82歳でした。かなり平均寿命に近い方がお亡くなりになっております。そのうち4割は寝たきりの方だそうです。高齢になってきますと、肺炎を起こし、重篤化しやすくなります。インフルエンザやほかのウイルス性肺炎でも年間数千人の方が亡くなる現状と、今の現状はどう違うのでしょうか。インフルエンザでいいますと、1シーズン約4か月で1,000万人が感染し、関連死を含めると1万人の方が亡くなっております。ワクチンや治療薬があってもインフルエンザは毎年圧倒的な猛威を振るっており、新型コロナウイルス程度で緊急事態宣言を出すくらいなら、インフルエンザは毎年緊急事態宣言を出さなければいけないはずであって、マスコミが、日本ではインフルエンザより大したことのないウイルスを恐怖の大魔王のように仕立て上げたのであります。新型コロナウイルス感染症で1年半かけて約78万人が感染し、1万3,000人が亡くなりました。日本の総人口1億2,600万人として、感染率及び死亡率を見ると、感染率0.6%、死亡率0.01%となります。また、新型コロナウイルス感染症の死亡者数ですが、昨年6月18日に厚生労働省の事務連絡で、ここでは、「新型コロナウイルス感染症の陽性者であって、入院中や療養中に亡くなった方については厳密な死因を問わず、死亡者数として全数を公表するようにお願いいたします」と書かれています。この後、7月から肺炎の患者が著減し、新型コロナウイルス感染症死者が増えました。肺炎で死んだ人がPCR陽性だったら全て新型コロナウイルス感染症死者とカウントするようになったからです。心筋梗塞や脳梗塞などほかの疾患で亡くなっても、新型コロナウイルス感染症陽性であれば新型コロナウイルス感染症死ということになります。日本のCOVID-19 ECMOnet、エクモとか人工呼吸器等を使用している病院のネットワークで、約80%が加盟しておりますが、これによると、令和3年5月15日時点で、エクモ使用中に亡くなった方は194名、人工呼吸器使用中に亡くなった方は877名、合計1,071名が新型コロナウイルス感染症による死亡としています。厚生労働省もこの数値を認めています。とすると、本当の新型コロナウイルス感染症死者数は、報道されている10分の1程度ではないかと言われています。 また、重症化に対してですが、令和3年4月13日にイギリスの「ランセット」に掲載された論文では、新型コロナウイルスに感染した入院患者に関する研究で、英国で最初に確認された感染力の強い変異株と、それ以外の方の重症化リスクはあまり変わらないことが明らかになったとされています。日本でも、世代別の重症患者数と重症化率の比較では、これは2021年1月6日と2021年4月21日で評価しておりますが、重症者の絶対数は、むしろ1月6日のほうが多く、40代以下の世代の絶対数は、わずかに4月21日のほうが多いが、若い患者も重症化しやすいかどうかは、重症化率イコール重症者数割る入院等を必要とする者の数を比較しなければなりません。すると、意外なことに、実際には各年代とも1月6日時点のほうが重症化率が高く、そして全体の重症化率は、1月6日の1.6%に対し、4月21日は0.6%と半分にすぎません。 こうした客観的な数字で見比べると、今の変異株の脅威をあおるマスコミの報道姿勢は、明らかな印象操作と言わざるを得ません。マスコミは、視聴率稼ぎに事実などまるで無視し、自分たちの都合のいいコメントをしてくれる専門家を探し求め、恐怖をあおっています。どのチャンネルを見ても同じ顔ぶれしか出てきません。皆さんもそうお感じになっていると思います。現在の新型コロナウイルスに関する間違った意見を持つ専門家は、決してテレビに出ること、現れることはありません。マスコミにとって都合の悪い話はカットされてしまうからです。そして、そのような方々は、その後テレビに出ることはありません。視聴率が稼げなくなるからです。 新型コロナウイルス感染症は、感染症法により二類感染症に分類されました、一類は、エボラ出血熱、ペストが含まれ、二類は、結核、SARSが含まれます。感染症法に基づく分類と主な措置から見ますと、一類は、消毒、就業制限、入院勧告、無症状者への適応、交通の制限が挙げられます。二類は、消毒、就業制限、入院勧告です。新型コロナウイルス感染症は消毒、就業制限、入院勧告、無症状者への適応、交通の制限で一類と同じです。エボラ出血熱、ペストと同等に扱われています。ちなみに、インフルエンザは五類に分類されています。二類の入院勧告は、指定病院に入院することになりますので、医療の逼迫は目に見えていました。逼迫してきたので、ほかの病院で引受けをお願いしました。それでも間に合わなくなり、ホテル療養、はたまた自宅療養にシフトしていきました。致死率が50%前後と言われるエボラ出血熱と同様の分類と扱いながら、自宅療養は有り得ないと通常なら思うはずです。ここに政府の誤りがあったと言わざるを得ません。早い段階で五類相当に修正すべきだったのです。今の報道の在り方から、新型コロナウイルス患者を引き受けますという病院は、徐々には現れてきました。しかし、病床が確保できても人員が確保できないため、稼動できない状況が続いているというのが現状です。医療逼迫は当分続くと覚悟しなければなりません。 PCR検査も、今やどこのマスコミを見ても、まるで絶対的な検査であるように報道されています。PCR検査を十分にやっていないから感染が広まったのだと騒いでいる方も多く報道に出ています。ちなみに、日本で行われているPCR検査キットは、50回で17万5,000円です。単価で見ると1検体3,500円です。コマーシャルで、9,000円でやっていますとか、いろいろな放送がされております。かなりの利益を上げた方がいるのではないでしょうか。 では、PCR検査はどれくらいの精度なのでしょうか。アメリカのCDC、アメリカ疾病予防管理センターのオフィシャルサイトに掲載されている新型コロナウイルスに対するPCRの概要には、PCR検査で検出されたウイルスの遺伝子は、感染性のウイルスの存在を示しているとは限らないし、新型コロナウイルスが臨床症状の原因とは限らないと報じています。元来PCR検査は、ある遺伝子の部分を増殖させる検査であって、ウイルスの存在自体を検出するものではないと言っています。PCR検査キットの結果、陽性であっても、これをもって新型コロナウイルス感染症と診断してはいけない。まして、治療の根拠として使用してはいけないという警告も出ております。また、PCR検査を開発したキャリー・マリス氏も、「PCR検査は感染症の診断には使ってはいけない」と言っています。 PCR検査では分かることと分からないことがあります。分かるのはサンプル、咽頭で採取した検体や唾液の中にウイルスの遺伝子の断片が存在しているかどうかです。存在していれば陽性、存在が認められなければ陰性になります。しかし、そのウイルスが生きているか死んでいるか、ウイルスの量はごく少ないか、それとも大量か、そのウイルスは咽頭に付着しているだけか、それとも細胞を突き破って細胞内に入り増殖している、いわゆる感染しているかなどは、判定結果では分かりません。PCR検査は、温める、冷やすという手技を行い、ウイルスの遺伝子を増幅していきます。これを1サイクルといいます。つまり、サイクル数を増やすごとにより少ないウイルスでも陽性になります。理論的には10サイクルだとウイルスが1,000万個以上はないと陽性にならないが、20サイクルにすれば10万個以上で陽性になり、30サイクルでは1,000個以上で陽性になり、40サイクルになるとわずか10個以上でも陽性になります。新型コロナウイルスの場合、感染して発熱などの症状が出るには少なくても10万個程度のウイルスが必要とされています。すなわち、感染しているかどうかの判定は、20から25サイクルで検査するのが適切だと指摘されています。ところが、日本の国立感染研究所のマニュアルが示すリアルタイムPCRは45サイクルであり、国内メーカーの3つの検査キットでは40から45サイクルとなっております。これを使ったPCR検査では、ウイルスが10個程度存在すれば陽性となります。陽性となった場合、何サイクルで陽性になったかを検査結果に表示すべきです。表示することにより感染力があるのかないのかが分かります。 問題はそれだけではありません。PCR検査では遺伝子配列の類似性で判定するので、ここまでサイクル数を増やすと新型コロナウイルスの遺伝子配列に部分的に類似したウイルスが存在していても陽性になる可能性があります。現に検査キットにおきましても、様々なウイルスでも陽性になることが記載されています。従来のコロナウイルス、インフルエンザA、B、RSウイルス、アデノウイルス、パラインフルエンザウイルス、マイコプラズマ、クラミジアなどです。こうした実態を踏まえて研究者たちは、国内でPCR陽性とされた人のほとんどは、咽頭に10から1,000個程度何らかの遺伝子が付着している状態であり、新型コロナウイルス感染とは断定できないとしています。20サイクルで検査すれば、陽性者は現在の100分の1程度になると言われています。このように説明されると、陽性者の多くが無症状である理由が分かります。「感染者だけを正しく陽性判定するには、PCR検査で30サイクル以下にする必要がある」と研究者は言っていますが、アメリカでは37から40サイクル、低く設定してある台湾でさえも35サイクルになっています。30サイクルで10億7,374万1,824倍に増幅されます。40サイクルですと1兆995億1,162万7,776倍に増幅されたことになります。この結果、感染者数が実態の何倍にもなっています。 アメリカ疾病予防管理センターCDCは、「サイクル数は検査キットのメーカーや各国の検査施設に任せているとしつつ、サイクル数について基準をつくることを検討中」と述べています。ニューヨーク州のある検査施設で行われてPCR検査では、昨年7月、794人が陽性になったのだが、これは40サイクルで検査した結果だった。同じ対象者を35サイクルで判定すれば陽性者は約半数に減り、30サイクルにすると約30%になると内部の専門家が明らかにしました。マサチューセッツ州の検査施設の専門家によれば、40サイクルで陽性になった人の85から90%は、30サイクルでは陰性と判定されると言っています。PCR検査の調査をした記者は、何人もの専門家から取材した結果、アメリカで陽性とされた人のうち、最大で90%は非感染者だろうと結論づけています。 多くの人が、実は感染していないのに入院、隔離、自宅待機を強いられ、中には誹謗中傷を受けている人もいる可能性が大きいのです。検査は、病気の診断や治療をするための一つの手段で、特に診断の確定に使われます。例えば、発熱し、せきが出るという症状の関連について、普通の風邪かインフルエンザかはっきりしたいとき、抗原検査でインフルエンザが見つかればインフルエンザという診断を確定させます。ところが、新型コロナウイルスでは、症状と関係なくPCR検査で陽性ならば感染者とされます。この診断法そのものに疑問を持つ医師や研究者は少なくありません。厚生労働省もPCR検査の陽性者イコール感染者として、毎日感染者数を発表して、それを基に感染拡大防止対策をしていますが、そのPCR陽性者イコール感染者という前提に大きな疑問が出てきます。厚生労働省は、この疑問にきちんと答える必要があります。 最近のマスコミは、「新型コロナウイルスの変異株はマスクをしていても感染する。変異株は大変感染力が強く、注意しなければなりません」と言っています。以前より「マスク自体に予防効果はなく、あくまでも飛沫を防ぐためのもの」と言っていたのに、なぜこのような発言をするようになったのでしょうか。エアロゾルによる感染が起こるといって、よくテレビに出演している専門家らしき人も言っていますが、これも怪しいものです。何せ証明されていないものですから。変異株が変異株がと、やたらに恐怖をあおる方もいらっしゃいます。スーパーコンピューター富岳を用いて飛沫がどのように拡散するかというシミュレーションをしてうんちくを語っている人もいます。直接、飛沫を飛び散らかして話をする人は、ごくわずかだと思います。では、どのぐらいの飛沫を浴びたら感染するのでしょう。計算した研究者がいまして、サイクル数35の陽性者の場合、コーヒーカップ1杯の飛沫を浴びると感染するかもしれない。サイクル数40の陽性者の場合、500ミリリットルのペットボトル1本の飛沫を浴びれば感染するかもしれないとのことです。想像してみてください。どんなシチュエーションになるでしょうか。感染症状、発熱、せき、倦怠感等があり、体がつらい状態の中で、誰が飲食店に行って飛沫を飛ばすぐらい大騒ぎしてお酒を飲むのでしょうか。誰が百貨店に行って飛沫を飛び散らかすぐらい大声でしゃべるのでしょうか。この感染症の感染経路は接触飛沫感染です。ウイルスの大量に入った飛沫を何らかの形で手に触れ、その手で粘膜、目、鼻、口に触れ、ウイルスが侵入してしまうのです。 漠然とマスコミ情報を信頼してしまうと、恐怖にあおられてしまい本質を見逃してしまうことになります。私も新型コロナウイルスを侮っているわけではありません。重症化して多くの方々が亡くなっているのも事実であります。エビデンスに基づく必要なデータを収集し、正しい判断ができるよう、日頃から情報収集することが必要かと感じます。 それでは、一般質問に入らせていただきます。今回は、大きく分けて2点質問させていただきます。 大きな1番目として、令和2年12月議会で、EBPM、科学的根拠に基づく政策について、健康分野についても当てはまるのではないかという質問をさせていただきましたが、今回は事例を通じて質問いたします。令和3年3月に出されました熊谷市国民健康保険事業実施計画第2期データヘルス計画、第3期特定健康診査等実施計画中間評価案の中に、標準化死亡比割合についての記載がありました。標準化死亡比(SMR)とは、全国を基準イコール100とした場合に、その地域の年齢を調整した上での死亡率がどの程度高いのかを示したものです。100に近ければ平均ということになります。5年に1度集計されますが、熊谷市の平成20年から平成24年までの男女別主な死因別標準化死亡比は、大体が120前後でありましたが、平成25年から平成29年まででは、急性心筋梗塞が男性で256.6、平成20年から平成24年までは133.8、女性で273.1、平成20年から平成24年までは139.7と、ほぼ倍に増加しておりました。全国市町村の中で見ましても、男性は全国5位、女性全国6位という結果でした。なぜこれほど増加したのでしょう。近隣市町では、行田市、男性139.7、女性151.0、深谷市、男性99.2、女性130.1、本庄市、男性134.9、女性185.9、鴻巣市、男性167.1、女性183.6、東松山市、男性139.6、女性141.9であり、その中でも熊谷市は突出しております。 そこで、質問1として、平成20年から平成30年までの心筋梗塞で亡くなった方の毎年の人数を総数でお教えください。 質問2として、特定健診結果や有所見率からどのような結果が考察できましたか、お教えください。 質問3として、特定健診から保健指導通知を配送するまでの手順についてお教えください。 質問4として、後ろ向きの検討になりますが、平成20年から行っていた保健指導や予防啓発活動が功を奏していなかったと考えることができますが、どのようにお考えですか。最近の研究で、健診でNon―HDLコレステロールという値が注目されてきています。このNon―HDLコレステロールは、動脈硬化の進行を抑えるために重要な意味を持つとされています。40歳を過ぎた人がこの値を下げる対策をすると、年齢を重ねてから大きな恩恵を受けることが分かってきました。悪玉のLDLコレステロールが増えると動脈硬化が進行しやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクが上昇します。善玉コレステロールが低かったり中性脂肪が高い場合にも、動脈硬化性疾患の発症リスクが高まります。日本動脈硬化学会は、LDLコレステロール値が140ミリグラムパーデシリットル以上である場合、HDLコレステロール値が40ミリグラムパーデシリットル未満、中性脂肪の値が150ミリグラムパーデシリットル以上である場合に、脂質異常症が疑われるとしています。さらに、現在はNon―HDLコレステロールという値が健診の中にも取り入れられているところもあります。Non―HDLの値は、脂質異常症の診断基準にも取り込まれています。日本動脈硬化学会のガイドラインでは、170ミリグラムパーデシリットル以上であれば、抗Non―HDLコレステロール血症、150から160ミリグラムパーデシリットルは、境界域高Non―HDLコレステロール血症と診断されます。Non―HDLコレステロールは、総コレステロールから善玉のHDLを引いたもので表せます。血液中にはLDLコレステロールとは別の悪玉が潜んでおり、それらを含めた全ての悪玉の量を表すのがNon―HDLコレステロールです。Non―HDLコレステロールは、悪玉のLDLコレステロール以外に中性脂肪が含まれるリポ蛋白、脂質異常により表れるレムナンドなどを含んだ動脈硬化のリスクを総合的に知ることのできる指標として注目されています。特に中性脂肪が高い人では、LDLコレステロールだけでなく、Non―HDLコレステロールの値もチェックすることが望ましいと言われています。LDLコレステロールとNon―HDLコレステロールの両方の目標を達成すると動脈硬化疾患のリスクが最も低くなるという報告もあります。コレステロールはリポ蛋白というカプセル状になって血液中を移動します。体の隅々へ運ばれるものがLDLコレステロール、余分に蓄積されると動脈硬化などの原因となるので悪玉とされます。それに対して、体から回収されるものがHDLコレステロールで、余分なコレステロールを減らすので善玉とされます。HDLコレステロール値が高ければコレステロールの回収量も多いことを意味し、脂質異常症になりにくいことになります。 そこで、質問5として、脂質異常症のマーカーとして、Non―HDLコレステロールを健診項目に追加することはできますか。Non―HDLコレステロールは、総コレステロールの項目を追加することにより計算式で表わせます。保険点数でいっても8から9項目で99点は変わりませんので、追加検査料金は発生しません。いかがでしょうか。 質問6として、今後の保健指導及び啓発活動の展開をお教えください。 次に、大きな2番として、ヘリコバクターピロリ菌について質問いたします。令和元年12月議会で一般質問をさせていただきましたが、胃がんの99%はピロリ菌が原因とされています。ピロリ菌は幼少期のみ感染が成立しますので、早い段階でのピロリ菌検査が重要であり、また一生に1度検査することにより、胃がんの発生リスクを治療により回避することができます。胃がんとピロリ菌の因果関係がはっきりしていますので、健診項目に加える価値は十分にあると思われます。 そこで、質問1として、過去5年間、胃がん罹患者数をお教えください。 質問2として、令和元年12月議会での答弁で、ピロリ菌検査の拡充についての調査研究をしていくとの答弁を頂きましたが、調査結果についてお聞かせください。以前、小児科の先生とお話しさせていただいたとき、「中学生のピロリ菌検査は今のところエビデンスがなく、また、仮に陽性となった場合、まだまだ心の不安定な時期に精神的ダメージや投薬の弊害等があるかどうか、データの蓄積もまだないので難しいのでは」と話されていました。しかし、若者の早期のピロリ菌検査は必要と思われます。 そこで、質問3として、毎年二十歳になる熊谷市在中の方にピロリ菌検査のクーポン券を配布するなど、考えることはできますでしょうか。ここで陽性なら除菌をして、定期的な内視鏡検査をすることによって、仮に胃がんになったとしても、早期発見、早期治療で、胃がんで命を落とすリスクは少なくなります。陰性だった場合は、胃がんのリスクから回避できます。最終的には、医療費抑制につながると思われます。 質問4として、今後ピロリ菌検査を熊谷市独自の事業として、がんリスク検診という名称で取り組むことはできますでしょうか。 以上で壇上での質問を終わります。再質問、要望等は質問席にて行わせていただきます。 ◎小林教子市民部長 田中議員さんの御質問1、心筋梗塞についてお答えいたします。 初めに、心筋梗塞で亡くなった方の人数ですが、平成20年から平成30年までを順に申し上げます。58人、51人、55人、119人、149人、178人、150人、139人、127人、153人、152人となっています。 次に、特定健診結果や有所見率からの考察ですが、心筋梗塞を引き起こす危険因子として、高血圧症、糖尿病、脂質異常症が挙げられますが、これらに関連する項目の複合的な有所見率が県平均よりも高いことから、結果として心筋梗塞による死亡者数が多くなっているものと考えられます。 次に、特定健診から保健指導通知を配送するまでの手順ですが、特定健診等データシステムを利用して、特定保健指導の対象者を年7回抽出し、腹囲、肥満度、血液検査の結果など、健診結果に応じた保健指導として、積極的支援及び動機づけ支援に分け、案内通知を送付しています。 次に、これまでの取組結果の考察及び今後の展開ですが、本市では、生活習慣病の発症や重症化予防を健康課題と捉え、国民健康保険被保険者を対象とした特定健診・特定保健指導や、がん検診等の実施、各種健康教室や健康相談を開催するほか、市ホームページでメタボ改善・予防の動画を配信するなど、知識の普及啓発を行っています。 健康意識の高い方がこれらの事業を利用して健康増進を図っている一方、特定健診を受けていない方の医療費が高くなっている状況から、個人の健康意識によって健康行動に差が生じているものと考えられます。 標準化死亡比における急性心筋梗塞の数値等を踏まえ、これまでの取組による効果や課題の検証、改善が必要であると考えますので、今後も市民が高い健康意識を持ち、自ら予防行動が行えるよう、知識の普及啓発や情報提供に努めてまいります。 なお、今年度新たに、血圧、体組成などの測定会を健康づくり支援に関する協定を締結している企業と連携し、実施することとしています。 次に、Non―HDLコレステロールを健診項目に追加することについてですが、精密な検査としては有効と考えられますが、疾病リスクの高い方を発見するための健診として、国の実施基準に基づき、現状の健診項目で実施してまいりたいと考えています。 続きまして、御質問2、ヘリコバクターピロリ菌検査についてお答えします。初めに、過去5年間の胃がん罹患者数ですが、最新データとして、平成25年から平成29年までの罹患者数を年ごとに、男性、女性、総数の順に申し上げます。平成25年、91人、39人、130人、26年、99人、56人、155人、27年、115人、43人、158人、28年、181人、61人、242人、29年、130人、66人、196人です。 次に、調査結果についてですが、県内自治体で胃がんリスク検診を導入しているのは、令和2年度が17市町村、3年度は16市町村、うち2市で縮小、2市町で廃止を検討中で、全体として減少傾向となっています。また、このうち多くの自治体で胃がん検診の検診方式が胃エックス線検査のみであり、導入時には胃内視鏡検査を実施していなかったなど、本検査導入の経緯が確認できました。 次に、20歳の方へのクーポン券を配布することについてですが、市民を対象とした胃がんリスク検診を実施していない現段階での導入は、難しいものと考えています。 次に、今後のピロリ菌検査についてですが、現在、本検査は簡便である一方、死亡率減少効果が明らかになっておらず、自治体が提供する検診としては推奨されていないこと。また、本市では、現在、胃エックス線検査及び胃内視鏡検査を実施していることから、引き続き国のがん検診指針に沿った検査方法により、胃がんの早期発見、早期治療に努めてまいりたいと考えています。 以上です。 ◆田中正議員 田中正です。心筋梗塞増加について再質問をさせていただきます。 KDBデータシステムから心筋梗塞患者数を抽出し、郵便番号で振り分け、地域特性を見ることができると思われますが、いかがでしょうか。 ◎小林教子市民部長 お答えいたします。 心筋梗塞死亡者を抽出することはできませんが、生活習慣病リスク保有者の割合など、システムに設定された項目で、住所ごとの特性を確認することができます。 以上です。 ◆田中正議員 再質問2として、心筋梗塞と食生活というのは密接な関係があると思われますが、食生活アンケート等を実施する予定はありますか。アンケートを取りエビデンスを見いだし、それを有効活用する必要があると思われますが、いかがでしょうか。 ◎小林教子市民部長 お答えします。 特定保健指導で、食生活を含めた生活質問票を利用し、個別指導を行っていますので、質問票の結果を集計することによって市民の食習慣の傾向が見られます。その結果を参考に、特定健診対象者に対するアンケート調査について検討してまいりたいと考えています。 以上です。 ◆田中正議員 再質問の3として、Non―HDLコレステロールを健診に追加することですが、平成29年8月4日に厚生労働省労働基準局から都道府県労働局長に出された文書で、Non―HDLコレステロールは動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012において、既にスクリーニングとして診断基準が示されている。また、Non―HDLコレステロールは、総コレステロールからHDLコレステロールを減じたものであり、日本人に多いHDLコレステロール高値や高中性脂肪血症、食後の中性脂肪高値が与える虚血性心疾患、脳血管のリスク評価における影響を配慮できる。また、Non―HDLコレステロールの虚血性疾患、脳疾患の予測脳は、LDLコレステロールと同等もしくは優れていることが明らかになったことから、日本人のコレステロール評価にはNon―HDLコレステロールが望ましい。なお、LDLコレステロールは、いわゆる悪玉コレステロールとして一定程度定着しており、Non―HDLコレステロールについて、受益者の理解を得られる取組が必要であることに留意する、これからNon―HDLコレステロールを保健指導対象の指導に用いることとしている。埼玉県医師会が出された埼玉県医師会集合契約における特定健康診査実施概要(2021年度)におきましても、中性脂肪、HDL、LDLコレステロール、またはNon―HDLコレステロールとしています。人間ドックなどでは平成30年度より導入されており、Non―HDLコレステロールの有所見者状況でも、熊谷市、県の順に見ますと、平成30年、5、2、令和元年、4.6、2.1、令和2年、3.5、1.7と県平均に比べて高い傾向にあります。心筋梗塞患者は、平成20年から比べ3倍も増加している今日を見ると、新たな取組をしていかないとと思われるのですが、再度聞きますけれども、Non―HDLコレステロールは追加できないでしょうか。 ◎小林教子市民部長 お答えします。 健診項目につきましては、県内他市町村においても本市と同様の対応であり、引き続き国の実施基準に基づき実施してまいりたいと考えています。 以上です。 ◆田中正議員 ありがとうございます。 それでは次に、ヘリコバクターピロリ菌検査について再質問させていただきます。胃がんのリスクとして、ヘリコバクターピロリ菌が大きく関与しているのは周知の事実であり、若いときに行うことが有効と思われます。死亡率減少が明らかになっていないのは、まだまだ長い年月をかけてのエビデンスがないということです。それをもって効果が明らかになっておらず、自治体が提供する健診とは推奨されていない。50歳から胃エックス線検査及び胃内視鏡を実施していることから、やらないというのはいかがなものかと思います。50歳では早期発見に当たらないと思います。令和元年12月の一般質問でも述べましたが、私が言いたいのは、若いときに行い、胃がんで死亡するリスクをいかに少なくし、健康で長く暮らせることを目的とするならば、非常に有効な検査であるということです。本市としてどのようなエビデンスを持ってできないとしているのか、再度検討することは可能か、お聞かせください。 ◎小林教子市民部長 お答えします。 「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」に定めるがん検診の種類、検査方法は、国立がん研究センターが、がん種ごとに作成している「有効性評価に基づくがん検診ガイドライン等」で定められており、現時点では、ピロリ菌検査は、死亡率減少という利益が明らかにされておらず、検査の偽陽性や偶発症、過剰診断等の不利益が利益を上回る可能性が否定できないものに分類されており、その有効性が十分に検証されていないことから、現段階での導入は難しいものと考えています。 以上です。 ◆田中正議員 それでは、また再質問させていただきますけれども、先ほどおっしゃられた検査の偽陽性や偶発性、過剰診断等の不利益が発生する確率というのは、ではどのくらいなのでしょうか。 ◎小林教子市民部長 お答えします。 ガイドラインを作成した国のがん検診のあり方に関する検討会において、根拠となるデータは示されていません。 以上です。 ◆田中正議員 根拠がないデータは示されていませんけれども、できないというのは、やっぱりまだまだ腑に落ちないところがあるのですけれども、私のほうもこれから勉強していって、また、同じようなことをお聞きするかもしれません。 それぞれに答弁を頂きましたので、要望を述べさせていただきます。標準化死亡比(SMR)における心筋梗塞患者には驚きを隠せませんでした。ここ10年で3倍の増加を来した原因はどこにあるのか、いろいろ私も考えてみましたが、なかなか皆目見当がつきませんでした。食生活が原因であるとするならば、過去から心筋梗塞は多かったと言えますが、ここ10年での急速な増加は説明できません。異常気象による猛暑が原因で脱水が起き、夏場の心筋梗塞による死亡者が増加したのか。はたまた生活環境の変化があったのかは不明です。しかし、このまま野放しでおくことはできません。様々なデータを取り、それらを解析し、エビデンスを導き出し、対策を考える必要があります。アンケートを行い、またエビデンスのある有効な検査を取り入れていくなどが重要になってきます。そういう面においても、Non―HDLコレステロール検査などは有用と考えます。また、アンケート集計から分析までとなると、官だけで対処できるものではありません。様々なところと連携を取る必要があります。熊谷市のこの突出した死亡比は非常事態とも考えられます。原因究明に向けてさらなる検討をお願いいたします。 健康に関して、意識のある人とない人の差が大きくなってきています。健康に対する意識が薄く、自分は大丈夫と過信する方々に、いかに健康の大切さを知らせ、健診を受けさせ、早期発見、早期治療に導いていくかも大切になります。エビデンスを示し、関心を持ってもらうような啓発活動、健康教室が重要になってきます。残念ながら、今の活動ではなかなか大切さが伝わってこないというのが現状だと思われます。啓発活動の一層の対策をお願いいたします。 ピロリ菌に関しても、胃がんの約99%はピロリ菌が関与しているというエビデンスがあります。胃がんのリスクをいかに回避するかを考えた場合、ピロリ菌の検査は非常に有用だと考えます。どの市町村がやっているからやっていないからではなく、先駆けてやることに意義があると思います。胃がんの患者が減れば医療費の削減にもつながります。健診活動の推進は、将来的な医療費の削減にもなります。さらなる推進をお願いいたします。 熊谷市でもSDGsを推進しています。SDGsゴール3は、あらゆる年齢全ての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進するです。エビデンスのあるものには積極的に取り組んでいき、ゴールに向かって一歩でも先に進んでいけたらと思います。 以上で本定例会での質問を終了いたします。ありがとうございました。 ○大久保照夫議長 以上で5番田中正議員の一般質問は終了いたしました。 申し上げます。先ほどと同様に、議員、理事者ともに出席者の入替えをお願いします。 議員におかれましては、石川広己議員を除き、議席表Bを参考に入替えをお願いいたします。 暫時休憩します。              午後 3時50分  休 憩                                                          午後 4時00分  再 開 ○大久保照夫議長 休憩中の会議を再開いたします。 △会議時間の延長 ○大久保照夫議長 お諮りいたします。 会議時間を午後6時まで延長したいと存じますが、これに御異議ございませんか。              〔「異議なし」と言う者あり〕 ○大久保照夫議長 御異議なしと認めます。 したがって、会議時間を午後6時まで延長することに決定いたしました。 △一般質問続行 ○大久保照夫議長 次に、13番石川広己議員の一般質問を許可します。              〔13番石川広己議員登壇〕 ◆石川広己議員 ただいま大久保照夫議長より発言の許可を頂きましたので、6月定例会市政に関する一般質問を行います。今回は、農業振興についてと不法投棄についての2点です。 初めに、農業振興についてですが、食を支える農業は生活に不可欠な産業です。しかし、農業従事者の高齢化や後継者不足、遊休農地等、多くの課題もあります。少し古い資料ですが、令和元年度版熊谷市統計書によると、平成27年2月調べでは、専業農家846戸、兼業農家1,543戸であり、兼業農家が約65%を占め、農家の3軒に2軒は兼業農家になっていました。また、兼業農家1,543戸の内訳では、第2種兼業農家が1,322戸と約86%でした。現在は、第2種兼業農家の割合がさらに高くなっているのではないかと思われます。 私の地元の男沼地区は、昭和30年代後半から40年代にかけて、野菜栽培では独り勝ちの状況で、そのことを中学校の社会科の先生が、「おはよう10万」とよく言っていました。朝起きて今日1日野菜を収穫すると10万円の売上げがあるという意味でした。特にニンジンは赤いダイヤとも言われていました。社会科の先生の言葉が懐かしく思い起こされます。まさしく男沼ブランドだという農産物が市場を席巻していた輝かしい時代でした。戦後の成功した農業地域として全国の手本となり、各地からの視察団も数多くあったとのことでした。しかし、米の消費量は減少、品種改良、交通インフラの整備、野菜の鮮度を維持する技術向上等、産地間競争の激化により大きく変化を遂げました。そして、ブランドから量産体制への変質を余儀なくされました。さらに、農家の高齢化と後継者不足の問題が加わり、結果として化学肥料と農薬を多用し、収益の多くが農業機械の購入に充てられるようになりました。また、農家にとっては、農地への栄養素の補充と連作障害の軽減化、作物の病気や害虫、害鳥への対策も大きな課題でした。最近では、ネギネクロバネキノコバエが発生し、特産であるネギの生産にも大きな被害が出たことは、皆さんも耳にしたことがあるのではないでしょうか。ネギネクロバネキノコバエは、土壌の変化と薬剤の多用により耐性と伝染力を高めて、地域全体に蔓延する可能性もあります。今回は、市やJAと連携しての農家支援があり、薬剤の配布、ビニール袋の配布、残渣置場の設置等により被害を最小限に抑えていただきました。 ところで、毎年同じ土地に同じ作物を植えると病気が発生したり生育が滞ったりする連作障害も起こります。この連作障害を防ぐには輪作が行われます。ジャガイモを栽培した次の年は牧草を生やす、次の年は耕すだけで何も作らない。翌年は再びジャガイモを栽培するというサイクルです。作物を代えたり農地を休ませたりすることで土壌の自然回復力を引き出す方法は、化学肥料や農薬の使用を少なくするもので、食の安心・安全にもつながります。現在は、各地で効率性と機械化による量産をコンセプトに展開されています。こういう農業経営が全国規模で展開すると、個人経営の収益性は低減し、いずれは大規模経営に道を譲ることになります。農業の抱える課題の大きな一つです。 さて、遊休農地の現状はどのようになっているのでしょうか。保全管理や営農再開等、再農地化が進み、遊休農地が解消されるということはあるのでしょうか。農業委員会等に関する法律により遊休農地の発生防止、解消が農業委員会の業務として位置づけられていますが、具体的にどのような活動を行っているのでしょうか。 さらに、新規就農者は、農業の貴重な戦力であるとともに、後継者不足を解消してくれる人材でもあります。農業に意欲のある方への支援は、定着につながるはずです。具体的にどのような支援があり、行っているのでしょうか。そして、市内には農業系の高校もあります。出前授業ではありませんが、市の農業に関する施策等を紹介しながら、新規就農者の確保につながるよう連携を深めてはいかがでしょうか。明るい展望に立った農業の未来を語るには、関係機関が知恵を出し合いながら、継続的に農業振興に取り組む必要があります。 そこで、農業振興について質問いたします。 (1)、直近の農家件数と従事者数。 (2)、法人化の件数。 (3)、農地の集積と集約の現状。 (4)、人・農地プランの作成状況。 (5)、農地利用最適化推進委員の役割と人数。 (6)、多面的機能支払交付金制度の内容。 (7)、遊休農地について。 ア、現状と過去3年間の推移。 イ、内容と内訳。 ウ、農業委員会の活動。 (8)、新規就農者について。 ア、農業次世代人材投資事業の内容。 イ、農地確保、各種資金確保、営農技術の確保への支援。 ウ、市内高校への就農要請。 エ、新規就農者の人数過去5年間と内訳。その内訳は、新規、親元就農、Uターンも含め過去5年間をお願いします。 オ、栽培品目の内訳。稲作、野菜等の畑作、果樹。 以上です。 次に、不法投棄について質問します。埼玉県は海なし県ですが、海岸に多くのごみが打ち上げられている映像をニュースで目にします。明らかに外国から浮遊してきたと分かるラベルのついたものもあります。同じように、海面や海底にも分解されることのない微小なマイクロプラスチックが大量に漂っていることも報道されています。一方、卑近な例で言えば、ペットボトルや空き缶、たばこのポイ捨て等があります。これらも不法投棄です。道路の植え込みや信号の近辺でもそれらをよく目にします。中にはレジ袋にごみと思われるものを詰めたまま放置されていることもあります。現在はコロナ禍にあり、感染防止のために自粛していますが、私の住む地区では、以前は年2回、自治会を挙げて各班ごとに道路や地域を分担して、空き缶やごみ拾い等を行っていました。また、土手のごみ清掃も行いました。毎回ごみの不法投棄はなくならず、自治会も困っています。これから暑くなる季節を迎えるとペットボトルや空き缶が増えてきますが、生活で使った残り物、例えば、食べ物の残り物、衣服や長靴等が投げ捨てられることもあります。それだけではなく、空き地や空き家には自動車のタイヤやテレビ、洗濯機、冷蔵庫等の家電製品が不法に投棄されている現状があり、地域の人からの苦情や撤去を相談されることが少なくありません。他人に迷惑をかけてはいけないという公徳心の欠如等、理由はいろいろと考えられますが、不法投棄が後を絶たない状況には、市民の一人として悲しくなります。私が体験した例として、地域の神社の隣の空き地に数多くのタイヤが放置されてしまい、市の担当課に相談し、土地の所有者を調査してもらったことがありました。時間と手間がかなりかかったと、後日担当の方に教えていただきました。結局、所有者の土地の外に出ている投棄物だけを市の担当課に撤去してもらいました。感謝するとともに、改めて空き地への不法投棄の対応の難しさを実感しました。河川敷や森林、雑草の生い茂った耕作放棄地等、投棄したものが見えにくい場所にはいつの間にかたくさんの物が積み重なっています。そこで、不法投棄に対してどのように考え、対策を進めているのか、市の見解を伺いたいと思います。 (1)、環境に配慮したまちづくりについての考えは。 (2)、コロナ禍でごみゼロ運動が自粛されている現状の認識は。 (3)、河川敷で不法投棄されたバーベキュー等のごみの処理は。 (4)、直近3年間に市が回収した主な不法投棄物の件数は。 (5)、監視体制としての防犯カメラの設置や巡回パトロールの現状は。 (6)、啓発や抑止体制の整備が必要だが、どのように考えるのか。 これで壇上での質問は終わりにします。再質問、要望等は質問席で行いますので、よろしくお願いします。              〔富岡 清市長登壇〕 ◎富岡清市長 石川議員さんから2点御質問を頂いておりますが、私から農業振興について総括的にお答えをさせていただきます。 初めに、本市の農業産出額でございますが、年間で約84億円、県内5位のレベルにあります。直近の2020年農林業センサスによりますと、作付面積において、小麦、大豆は県内1位、水稲、ネギ、ヤマトイモが県内2位であり、品質においても市場から高い評価を頂いております。 一方で、全国的にも農家の高齢化、後継者の減少、遊休農地の増加など、農業を取り巻く状況は厳しいものがあります。農業・農村の持続性を確保するため、消費者ニーズに即した安全な農産物の生産を前提として、人材の育成、確保と農地の集積、集約化などの産業政策と、美しい農村景観、豊かな集落機能の維持といった地域政策とを車の両輪として推進することが必要だと考えています。このため、本市においては、担い手農家への農地の集約化や経営の効率化を図るため、農地中間管理事業の取組を加速化し、現在市内14地区で取り組んでいるほか、農業委員会を中心とした遊休農地の解消に向けた取組を積極的に行っております。 また、市域の約4割を占める田畑の美しい風景を次世代につないでいくため、農地、水路や農道など、農業基盤の環境を保全する多面的機能支援事業では、今年度も県内最大規模となる3,210ヘクタールで取り組む予定です。荒川、利根川の恵みを受けた肥沃な大地を守りながら、引き続き地域ぐるみで人・農地プランの実質的な対話を進め、本市農業と美しい農村地域の持続性を高めてまいります。 以上です。 ◎松岡八起産業振興部長 続きまして、直近の農家件数と従事者数ですが、2020年農林業センサスによると、農家数は1,663戸、農業従事者数は3,952人となっています。 次に、法人の件数ですが、39件です。 次に、農地の集積と集約の現状ですが、自身で耕作できない農地を担い手に集積し、まとまりのある形で農地を集約して借り受ける農地中間管理事業について、平成26年度から積極的に取り組んでおり、将来にわたり農地を持続的に利活用し、効率的な農業経営が行えるよう働きかけを行っています。この結果、令和2年度末時点で農地中間管理事業を導入している地区は市内14地区で、集積面積は合計510.8ヘクタールとなっています。 次に、人・農地プランですが、これは担い手不足や耕作放棄地など、各地区の課題を地域で話し合い、将来に向けた解決方法をまとめた未来の設計図です。平成24年度から市域を4分割して作成を開始し、現在は23地区に細分化し、アンケートの実施、農地利用図を使用した現況把握、話合いの3段階のステップを経て、実効性のある計画づくりを進めています。 次に、多面的機能支払交付金制度ですが、農用地や農道、農業用水路等の適切な維持管理を地域で行えるよう、農業者だけでなく地域住民、自治会、関係団体などが広く参加する共同活動等に要する経費に対して支援を行うものです。本市では、今年度42組織が3,210ヘクタールの農用地を対象に活動する見込みで、県内では最大規模を誇る取組となっております。 次に、新規就農者のうち、国の農業次世代人材投資事業ですが、次代を担う農業者を目指す49歳以下の就農者を対象として、準備型と経営開始型の2つの事業があり、市が資金を交付する経営開始型の事業では、1年目から3年目までが年間150万円、4年目、5年目は年間120万円を交付しております。 なお、交付要件は、認定新規就農者で、経営開始5年目までに自立可能な経営計画を策定し、人・農地プランに中心経営体として位置づけられていること、前年の世帯全体の所得が600万円以下であること等となっております。 なお、採択された方には、農地や資金の確保、営農技術の向上等に係る専任の担当者を定め、情報提供や助言、指導等の支援を行う体制を組んでおります。 次に、農地や資金、営農技術に対する支援ですが、新たに就農相談があった場合、農地の確保は農業委員会の農地情報を活用し、地元の農業委員と連携して対応するほか、資金の確保は各種制度資金等の利活用を、営農技術の確保は県大里農林振興センターが助言、指導を行うほか、研修機関や研修者の受入れ可能な農業法人の情報等を提供するなどしています。 次に、市内の高校への就農要請ですが、県大里農林振興センターを事務局として、農業高校、農業大学校を含め、市農政部局と農業委員会、農協等から成る大里地区農業教育連絡会議を組織し、就農に関する情報共有を通して、意欲のある農業高校生や農業大学校生の就農促進を図っております。 次に、本市の新規就農者数について、就農者数とその内訳として、新規参入、就職就農、親元就農者数の順に申し上げます。平成28年が17人で、5人、5人、7人、29年が22人で、5人、8人、9人、30年は15人で、4人、1人、10人、令和元年が25人で、8人、2人、15人、2年が14人で、3人、6人、5人となっております。 次に、栽培品目等の内訳ですが、新規就農者の多くが、ネギ、ブロッコリー、スイートコーン等の露地野菜経営を選択しています。 なお、少数ではありますが、キュウリ、イチゴ等の施設野菜経営や、大規模米麦農家の経営を継承する形での主穀経営、ブドウ栽培などの果樹経営が見られています。 以上です。 ◎山下克巳農業委員会事務局長 続きまして、農地利用最適化推進委員についてお答えします。 初めに、役割ですが、市内を8つの区域に分け、担当区域について、人・農地プランなど地域の農業者等の話合いを推進し、農地の貸手、借手へのアプローチを行い、農地利用の集積、集約化の推進、遊休農地発生防止、解消の推進、さらに、新規参入の支援活動を行うことです。人数は、農業委員会等に関する法律に基づき、農業委員会が28人を任命しております。 次に、遊休農地の3年間の増減及び内訳と内容ですが、農地利用最適化推進委員が任命されました平成30年度には、田38.5ヘクタール、畑66.8ヘクタールの遊休農地がありましたが、令和元年度は、田36.1ヘクタール、畑65.1ヘクタール、令和2年度には、田34.0ヘクタール、畑61.2ヘクタールと、農業委員、農地利用最適化推進委員の積極的な活動により年々減少しております。 次に、遊休農地解消に向けた農業委員会の活動ですが、年に1度、農業委員、農地利用最適化推進委員による全市一斉の農地パトロールを実施し、現状の把握に努めるとともに、日頃から地元農家の意向をきめ細かく酌み上げ、遊休農地の解消に向け、担い手農家への農地集積等の橋渡しをしています。 以上です。 ◎石井茂環境部長 続きまして、御質問2、不法投棄についてお答えします。 初めに、環境に配慮したまちづくりについてですが、熊谷市環境基本条例で基本理念の一つに掲げておりますとおり、全ての者が地球環境の保全を自らの課題として認識し、環境に配慮した事業活動や日常生活を営むことが大切であると考えています。 次に、コロナ禍でのごみゼロ運動の自粛についてですが、自治会等におけるこの運動は、環境美化や不法投棄の抑止に大きく貢献していますが、コロナ禍の現状ではやむを得ないと認識しています。 次に、河川敷のごみですが、最終的にはその土地の管理者が対応しているのが現状です。 次に、過去3年間に回収した主な不法投棄物ですが、平成30年度から令和2年度まで品目ごとに順次申し上げますと、テレビ、158台、115台、187台、冷蔵庫・冷凍庫、52台、53台、57台、洗濯機、26台、30台、47台、自動車タイヤ、276本、239本、180本、消火器、90本、79本、40本などです。 次に、監視体制ですが、自治会等の要望により監視カメラを一定期間設置しているほか、不法投棄の多い場所については、定期的にパトロールを行っています。 次に、啓発及び抑止体制ですが、不法投棄されないように土地の適正管理について、市報や市ホームページ等で周知しているほか、自治会長や環境美化推進員等の申請に基づき、不法投棄防止看板を配布しています。今後も自治会や関係機関等と連携して不法投棄の防止に努めてまいります。 以上です。 ◆石川広己議員 13番、石川です。多くの質問に対し、市長をはじめ、関係部局から丁寧な御答弁を頂き、ありがとうございました。 初めに、農業振興についてですが、農業と農村の持続性確保のため、産業政策と地域政策を柱として推進するという方向性を示していただきました。そのために、農地中間管理事業の取組や農業委員会をはじめ、各地域の農地利用最適化推進委員の働きにより遊休農地が着実に減少していることは、本当にありがたいことです。遊休農地の解消と活用にはきめ細かな計画と活動が必要です。今後も遊休農地が効果的に活用され、農業の生産性が向上することを期待します。 また、答弁から、法人化している農家の件数が39件と5年前よりも14件も増加していることが分かりました。農地の集積と集約が進んでいることの現れだと理解します。そして、人・農地プランですが、これは、地域の農業、農地を守り、地域の話合いにもう一度最初から取り組むことがその趣旨だと考えますが、各地区で計画づくりが着実に進行していることに安心を覚えました。さらに、多面的機能支払交付金制度は、農業者だけが対象だと考えていましたが、地域住民や自治会等が参加する活動にも経費として支援できることが分かりました。恒久的な予算措置がなされることを願います。 ところで、新規就農者に対する支援ですが、国の農業次世代人材投資事業では、49歳以下と年齢制限はありますが、5年間で最大690万円も交付されます。大変にありがたい事業です。また、農地や資金、営農技術の支援も多くの機関や法人等が重層的に支えていることも分かりました。新規就農者の内訳ですが、過去5年間で、多い年で25人、少ない年で14人、特に親元就農者の人数が多いことが分かりました。一概には言えませんが、親の働く姿を目にしていると、就農への意識が高まるのかもしれません。 次に、市内の高校への就農要請については、県大里農林振興センターを事務局として、大里地区農業教育連絡会議が組織されて、就農促進を図っていることが分かりました。 そこで、再質問します。再質問1として、2010年と2020年で比較すると、農家数の減少は何軒であり、その割合は何%でしょうか。 ◎松岡八起産業振興部長 お答えします。 農林業センサスによりますと、農家数は、2010年が3,041戸、2020年は1,663戸で1,378戸の減少、率にして45.3%の減少となっております。 以上です。
    ◆石川広己議員 13番、石川です。了解しました。市内農家数が10年で半数近く減少していることが分かりました。 関連して、再質問2として、同時期での農業従事者数の減少人数と、その割合は何%でしょうか。 ◎松岡八起産業振興部長 お答えします。 農林業センサスによりますと、農業従事者数は2010年が5,527人、2020年は3,952人で、1,575人の減少、率にして28.5%の減少となっております。 以上です。 ◆石川広己議員 13番、石川です。同時期で農業従事者数が4,000人を割り、約3割弱の減少の実態が分かりました。 では、再質問3として、同時期での農業従事者数の平均年齢の上昇は何歳でしょうか。 ◎松岡八起産業振興部長 お答えします。 農林業センサスによりますと、農業従事者数の平均年齢は、2010年が69.5歳、2020年は70.5歳で、平均年齢は10年で1歳上昇しております。 以上です。 ◆石川広己議員 13番、石川です。現在70歳を超えているということが分かりました。 再質問4として、人・農地プランの意向調査では、規模拡大、縮小、現状維持のそれぞれの割合はどの程度でしょうか。 ◎松岡八起産業振興部長 お答えします。 令和元年度に実施した担い手農家538軒への意向調査によれば、約53%の283件の回答がございまして、規模拡大が50.2%、縮小が27.5%、現状維持が22.3%となっております。 以上です。 ◆石川広己議員 13番、石川です。半数の担い手農家が規模拡大を考えていることが分かりました。農業委員会をはじめとした関係機関の働きにより農地の集積や集約が進んでいることも、規模拡大を考える農家が多い要因だと考えます。 次に、再質問5として教育委員会にお尋ねします。市内の小・中学生の農業体験学習の取組はどうなっているのでしょうか。 ◎鯨井敏朗教育次長 お答えします。 多くの学校で地域の農地をお借りし、田植えや稲刈りなどの稲作体験、ジャガイモやサツマイモの栽培をしています。 以上です。 ◆石川広己議員 13番、石川です。了解しました。稲作体験はとても貴重だと思います。農家の方の苦労の一端に触れることができ、また、収穫の喜びを味わうことは、農業体験を通してしか学べないと考えます。今後とも継続した取組をお願いいたします。 関連して、再質問6として、中学校では、職業体験学習が教育計画に位置づけられていると思いますが、その中に農業体験はあるのでしょうか。あるとしたら、どのような内容なのでしょうか。 ◎鯨井敏朗教育次長 お答えします。 職業体験学習として、農業体験を教育計画に位置づけている中学校は5校です。野菜農家でトマトやキュウリの収穫、出荷の体験等を行っています。 以上です。 ◆石川広己議員 13番、石川です。町なかの学校では難しいと思いますが、地域の特性を生かして、5つの中学校では、野菜の収穫と出荷の体験をさせていただいているとのこと、キャリア教育の面からも、農業体験を通して働くことの意味を考えることになる価値ある取組です。改めて地域の方々に支えられていることが伝わります。小学校同様、生徒の汗が光るような体験を授業として意図的、計画的に位置づけるようお願いいたします。 再質問7に移ります。空き家を利用して農業をしたいという人からの相談はあるのでしょうか。 ◎山下克巳農業委員会事務局長 お答えします。 昨年度、妻沼地区で1件の相談があり、新規就農につなげることができた事例がございます。 以上です。 ◆石川広己議員 13番、石川です。了解しました。今後もさらなる就農につながるように、広報の周知と、相談への丁寧な対応をお願いいたします。 続いて、再質問8です。農福連携事業の現状と課題について伺います。 ◎松岡八起産業振興部長 お答えします。 農福連携とは、障害者が農業分野で活躍することを通じ、自信や生きがいを持って社会参画を実現する取組であり、障害者等の働き口を創出できるとともに、高齢化による農家の働き手不足を解消できると期待されております。市内では、妻沼地区にある福祉施設「埼玉福興」が取り組んでおり、具体的な活動としては、ネギ苗の生産販売や、JAくまがやの仲介によるキュウリ農家での袋詰め作業などを行っています。しかしながら、活動に対する社会全体への周知はまだ十分ではなく、いかに多くの団体、企業、公的機関等と連携していくかが今後の課題となっております。 以上です。 ◆石川広己議員 13番、石川です。了解しました。農福連携を通して、農家にとっては働き手の確保、また、障害のある方にとっては雇用の場となり、生活の糧を得ることができます。市内には法人化している経営体が39件あるのですから、市も積極的に働きかけ、農福連携をさらに推進していただきたいと思います。 先ほどの就農要請の質問での答弁に、大里地区農業教育連絡会議を組織し、就農促進を図っているとありました。ぜひとも障害のある方の雇用の場をより多く創出し、生きがいと意欲を持って農業ができるような農福連携の取組を強く要望します。 最後ですが、再質問9として、本市の工業、商業等を合わせた全生産額は幾らでしょうか。そのうち、農業の生産額は幾らで、その割合は何%でしょうか。 ◎松岡八起産業振興部長 お答えします。 統計ごとに年度は異なりますが、令和元年の工業統計調査による本市の製造品出荷額等は9,324億円、平成28年の経済センサスによる商品販売額は7,133億円、平成30年市町村別農業産出額は84億円となっており、全体に占める農業産出額の割合は0.5%となっております。 以上です。 ◆石川広己議員 13番、石川です。数字で表すと全生産額の1%にも届かず、農業産出額の少ないことが分かりました。農業振興のために国も様々な施策を打ち出し、取り組んでいます。県や市も同様です。しかし、先ほどの市長の答弁にあったように、農業を取り巻く環境は厳しいものがあり、全国的な農家の高齢化、後継者の減少、遊休農地の増加などの課題があります。個人経営で成功した人はその情報を発信し、農業に興味のある人の後押しをすることも大切です。もうからなくては農業人口は増えないので、成功したビジネスモデルを構築し、それを広げていくかが鍵を握ることになると思います。国は、大規模農業として利益を上げていくビジネスモデルを提示し、積極的に支援するようになってきています。大規模農業のメリットは、農地が広がる分、生産量が高まり、売上げが増えるということです。広い土地のほうが効率的に作業を進められます。ほかにも、大企業の参入、法人化や会社化等で農地の大規模集積を図り、大型の機械の導入等、提言がされています。ただ、土地や気候等の環境も農業には大きな影響を与えます。ビジネスモデルはあくまでも参考で、地域の特性にも考慮しなければならないと思います。 以上で農業振興については終了いたします。 続いて、2、不法投棄についてに移ります。答弁のとおり、環境を意識した日常生活や経済活動はとても重要です。コンビニやスーパー等での買物では、レジ袋有料化が浸透しています。私もマイバッグを車の中に置いております。マイバッグを持参してレジで会計する人の姿も増えてきました。このことは、環境を意識するようになった現れだと考えます。 さて、不法投棄に対する市の取組には感謝しますが、引き続きなお一層の取組が必要だと考えます。未然防止のためのさらなる啓発と広報をお願いしたいと思います。地域においても、自治会を中心に環境美化に努めていますが、現在のコロナ禍では、ごみゼロ運動の自粛はやむを得ないということは理解できます。市民の安心・安全が何よりも優先されなくてはなりません。 さて、農地にテレビが、河原等に洗濯機、冷蔵庫等の廃家電が放置されるのを見ると、残念な気持ちとともに情けない思いも湧き出てきます。農地にごみを投棄された農家は、仕事場を汚されたことになるのですから、憤りの気持ちが強いと想像されます。一部の人の心ない行為で景観が損なわれたり自然が破壊されたりしてしまいます。答弁にあったように、河川敷のバーベキュー等のごみは、土地の管理者が対応しているそうですが、片づけには税金が費やされていることになるのでしょう。本当に残念です。 過去3年間の主な不法投棄物の件数が示されましたが、昨年度はテレビが最多で187台でした。個人での廃棄処理にかかる費用が投棄される理由かもしれません。以前、畑に投棄されたブラウン管テレビを見ました。数日過ぎると、そのテレビが農道の端に置かれていました。畑の持ち主が農道に出したのかもしれません。誰が捨てるのか分からず、市の担当課に連絡し、何とか回収をしていただきました。投棄した人が見つからないと、結局は土地の所有者や管理者が、その廃棄物を処理しなくてはなりません。空き地や遊休農地にごみを不法投棄されないためには土地の適切な管理が必要です。ごみを捨てられにくい環境づくりが求められます。除草したりロープを張ったり、看板を立てたりして、ごみを捨てられないような抑止効果のある自衛策が欠かせません。不法投棄しようとする人は、人目を避けて、人の気配のないときに捨てていくのですから、これを防ぐには監視カメラの設置も効果があると思います。ただ、設置された場所を避けて新しい投棄場所が生まれるといういたちごっこのようなことが危惧されます。不法投棄を防止するには、市民一人一人のモラルの向上に尽きると思います。当たり前のことを当たり前にすれば問題は発生しないのですが、悲しいことですが、このことができない人が一部にいます。パトロールとともに粘り強く啓発と周知を図って対応していくしかないのかと思います。 そこで、再質問します。再質問1として、直近3年間の不法投棄の苦情件数とその対応を伺います。 ◎石井茂環境部長 お答えします。 平成30年度から令和2年度までの不法投棄に関して環境推進課に寄せられました苦情件数を年度ごとに申し上げますと、67件、57件、52件です。このうち市が回収した件数は、62件、54件、45件です。 以上です。 ◆石川広己議員 13番、石川です。苦情件数は減少傾向にありますが、それでも50件を超えている現状です。それらの回収もほとんど市が行っていただき、ありがたいと思います。 再質問2として、市が不法投棄物を処理する場合の費用はどのようになっているのでしょうか。 ◎石井茂環境部長 お答えします。 不法投棄物のうち、可燃物は大里広域市町村圏組合の熊谷衛生センター、または江南清掃センターに、不燃物は大里広域クリーンセンターに搬入し、同組合が処理しています。なお、処理費用は、同組合に対する負担金に反映されています。 以上です。 ◆石川広己議員 13番、石川です。了解しました。回収した処理費用は税金で賄われていますが、不法投棄物が減少すれば、貴重な税金を違うことに使うことができます。ぜひ不法投棄をやめてもらいたいものです。 再質問3として、直近3年間の不法投棄者の判明件数、その後の指導と改善の状況について教えてください。 ◎石井茂環境部長 お答えします。 不法投棄の行為者の判明につながる証拠があった場合、警察に通報しています。警察の捜査により行為者が判明した件数を、平成30年度から令和2年度まで年度ごとに申し上げますと、2件、1件、2件です。このうち、現時点で原状回復されていないケースは、令和2年度の1件のみです。 以上です。 ◆石川広己議員 13番、石川です。昨年度の苦情件数は52件、投棄者の判明件数は2件と大きな乖離がありますが、不法投棄ということを考えると、なかなか投棄者の判明は難しいことが数値からも分かります。警察との連携が必要だと再認識しました。 再質問4として、関係機関が連携した取組の具体例をお願いいたします。 ◎石井茂環境部長 お答えします。 国、県、市等で組織された埼玉県北域荒川クリーン協議会において、荒川河川敷内の不法投棄物の一斉撤去を実施しているほか、県と合同で不法投棄が行われやすい場所のパトロールを行っています。 以上です。 ◆石川広己議員 13番、石川です。関係機関で協力して一斉撤去やパトロールが実施されていますが、不法投棄防止については、住民も行政と一体となって、複合的、重層的な監視体制の構築が抑止効果につながると思います。地域による児童の登下校の防犯パトロールのように、今後は自治会等による不法投棄防止パトロール等の活動を検討する必要があるのかもしれません。 さて、再質問5として、不法投棄に対して、市民からの通報しやすい仕組みづくりを検討してはどうかと思いますが、見解を伺います。 ◎石井茂環境部長 お答えします。 引き続き環境美化推進員等に迅速な情報提供をお願いするとともに、県の廃棄物不法投棄110番等のPRに努め、関係機関との連携を図ってまいります。 以上です。 ◆石川広己議員 13番、石川です。了解しました。県の廃棄物不法投棄110番の通報制度の周知をお願いいたします。 最後に、再質問6として、不法投棄防止対策の課題をどのように分析しているのか伺います。 ◎石井茂環境部長 お答えします。 不法投棄は人目につきにくい場所や時間帯に行われることが多いため、目撃情報が集まりにくいこと、車両等で短時間のうちに投棄されるため、投棄している現場を押さえにくいこと、市内全てを把握、監視することが困難であることなどが挙げられます。 以上です。 ◆石川広己議員 13番、石川です。答弁のとおりだと思います。衆人監視の中で不法投棄する人はいません、人目を避けて行うのですから、本人もよくないことだと自覚していると思います。それでも心のブレーキが利かないのではないでしょうか。こうなると、やはり個人のモラルを高めることしか解決策はないのかと思います。交通安全週間のように不法投棄防止週間の啓発期間を設け、街宣パトロールを行ったり、警察と連携してセミナーを開催して、市民への啓発周知を図ることも効果があるのではないでしょうか。確かに物理的には市内全ての把握、監視は困難です。そのためには、自治会や各地区の環境美化推進員の参画を頂き、地域ごとにキャンペーン等を行って不法投棄対策を進めていきたいものです。不法投棄防止とともに、自分の住む地域におけるまちづくり、ふるさとづくりという形にもつながるのではないでしょうか。市民、行政、警察と一体となって取り組み、不法投棄の減少から根絶へという流れが構築できたらと思います。不法投棄問題を解決する道のりは長いかもしれませんが、市民一人一人のモラルを高め、不法投棄を許さないという市民の意識の醸成が欠かせません。市としても、環境基本条例の基本理念を踏まえ、不法投棄問題にさらに力強く取り組んでいただきたいと要望し、不法投棄についての項目を終了します。 以上で、6月定例会市政に関する一般質問を終わります。どうもありがとうございました。 ○大久保照夫議長 以上で13番石川広己議員の一般質問は終了いたしました。 以上で本日予定されておりました一般質問は終了いたしました。 △散会について ○大久保照夫議長 本日はこれにて散会いたします。 御苦労さまでした。              午後 4時53分  散 会...